2022 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル解析技術を用いた胆道癌における炎症性サイトカインの病態解明
Project/Area Number |
21K15930
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石上 敬介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50779600)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 胆道癌 / 炎症 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
胆道癌は切除不能な状態で発見されることが多く,また切除不能症例に対する標準治療である多剤併用化学療法の奏効率も依然として十分ではないことから,病態の更なる解明と新規治療の開発・既存治療の最適化が急務である.申請者は,胆道癌組織および胆道癌患者血清を用いた炎症性サイトカインの発現解析およびシングルセル解析を用いて、炎症性サイトカインを介した胆道癌の進展機構の解明と診断・治療への応用を目標としている. 本年度は計画の2年目として,引き続き胆道癌患者からの臨床情報の収集およびサンプルの収集を行った.RNAシークエンスおよびオルガノイド培養を目的としたヒト胆道癌組織からの個細胞単離を継続し,条件の最適化を行った.ヒト胆道癌の治療に免疫チェックポイント阻害薬が使用できるようになったため,胆道癌細胞株を使用して炎症性サイトカインと免疫関連分子の関連についても検討を行っている. ヒト胆道癌切除症例に加えて,細胞株・動物モデルを用いた解析を併用することで,炎症性サイトカインを基軸とする胆道癌の病態解明を進めていく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト胆道癌症例からの臨床検体と臨床情報の収集を継続している。 胆道癌組織からの細胞分離過程の検証に時間を要したため,胆道癌臨床検体を用いたシングルセル解析の開始が予定より遅れている. ヒト胆道癌症例からの試料は貴重であり,動物モデルを用いた解析を併用して研究を進行中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
胆道癌組織および患者血清などの検体収集を継続し,炎症性サイトカイン発現の解析・比較を行う.また,ヒト胆道癌組織からの細胞分離を行い,シングルセルRNAシークエンスおよびオルガノイドの樹立・培養を行う.また,胆道癌細胞株およびオルガノイドを用いて炎症性サイトカインの及ぼす影響について解析を行う.さらに,ヒト胆道癌患者由来の糞便中microbiomeを解析し,臨床情報・炎症性サイトカイン発現およびRNAシークエンスの結果と比較する.
|
Causes of Carryover |
RNAシークエンスやオルガノイド培養に向けた基礎的検討に時間を要し,高価な研究試薬の購入や解析費用を使用しなかったため.次年度に解析を行い,繰越額を使用する予定である.
|