2021 Fiscal Year Research-status Report
オルガノイドを用いた膵神経内分泌腫瘍の腫瘍免疫応答解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
21K15931
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
長谷川 翔 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (00825763)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 膵神経内分泌腫瘍 / マウス腫瘍同所移植モデル / 免疫解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵神経内分泌腫瘍における腫瘍免疫治療効果予測が可能な細胞株およびマウスモデルの樹立である。当該年度には、まずマウスから採取した細胞への遺伝子改変を行い、神経内分泌腫瘍マウス細胞株の樹立を試みた。細胞株の樹立が可能となれば、マウスへの移植を計画している。本年度は、まずNETで最も多い遺伝子変異の一つであるMEN1遺伝子のノックアウトを目的とした。免疫解析をするためには、マウス由来細胞の遺伝子改変が必要であることから、野生型マウスから膵島の採取/単理培養を行った。マウス膵島の培養自体は可能であったが、長期培養が困難であり遺伝子改変まで至っていない。膵島の培養確立と並行して、遺伝子改変に用いる予定のプラスミドがCRISPR/CAS9に使用可能かどうか調べている。安定して樹立され他のプラスミドでCRISPR/CAS9が可能であった細胞に対して、遺伝子改変を試みている。マウス由来の膵癌オルガノイド細胞に対して、Menin(Men1の発現タンパク) CRISPRプラスミドを用いて、細胞にトランスフェクションさせている。現在遺伝子改変継続中であるが、本研究がうまくいけば、プラスミドが機能することが確認できるため、膵島の生存中に遺伝子改変を行うことが出来る可能性がある。膵島の遺伝子改変ができれば、マウス由来の細胞株の樹立ができ、同所移植モデルへの応用が期待できる。そのため現在行っている細胞実験は、本研究の要となる重要な実験である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
野生型マウスから膵島細胞の採取、分離には成功したものの、長期培養に成功していない。遺伝子改変を行うには、安定した細胞環境が必要であるが、膵島は自己増殖しないことも影響し、難渋している。ひきつづき長期培養を試みる予定であるが、難しい場合には、採取直後の細胞生存中に遺伝子改変を試みる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、膵島細胞の培養から、CRISPR/CAS9を用いてMEN1遺伝子のノックアウトを行う。長期培養が難しい場合には、採取直後にプラスミドを投与し、トランスフェクションさせることを試みる。ノックアウト株の樹立が可能となれば、マウスに細胞移植を行い同所移植モデルの作成を行う。
|
Causes of Carryover |
実験の計画が当初よりやや遅れており、購入した物品が予定より少なくなったため。今後は研究の進捗にあわせて、実験に必要な物品およびマウスを購入する予定である。
|