2022 Fiscal Year Research-status Report
The establishment of an infrastructure for endocytoscopic (ultra-high magnifying endoscopic) diagnosis system to the colorectal neoplasm.
Project/Area Number |
21K15935
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
工藤 豊樹 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (70595636)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | Endocyto / 大腸腫瘍 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
EC画像で取得可能な核の形態(核の腫大、核の重層化)、腫瘍腺腔の形態、血管の拡張所見、血管の途絶・蛇行所見、微細顆粒構造所見等を単変量解析し、有意な所見を抽出した後、それらの所見を多変量解析し臨床的に有意な特異的所見を集積し、診断分類を構築する。そして構築したEC診断分類を最終病理診断と一致率で検証し、そのEC診断の精度検証を行う。また「Resect and Discard」strategyを実践するために、米国内視鏡学会が提示している許容基準(ポリープ切除後の推奨サーベイランス間隔において内視鏡診断と最終病理診断との一致率が90%以上)を満たすことが出来るかを検証する。 大腸腺腫の特徴的なEC所見はスリット状腺腔と紡錘状の核であるが、このうち正常腺管構造が混在する所見をNormal pit(NP)signと名付け、同所見を低異型度腺腫の指標とし、その診断精度と、さらにNP sign陽性と診断した病変を対象に、米国と欧州のガイドラインに則した推奨サーベイランス間隔から、実際にdiscard strategyが実践可能かを検討した。 NP singの診断精度は感度85%、特異度90.7%、陽性的中率96.6%、陰性的中率66.1% 、正診率86.4%、陽性尤度比9.2と良好な結果であり、特に5mm以下のサイズ制限を設けなくてもT1癌の見逃しは一例も認めなかった。また、EC診断による推奨サーベイランス間隔と、ゴールドスタンダードである最終病理診断に基づく推奨サーベイランス間隔との一致率を検討した結果、米国ガイドラインにおいては一致率94.4%、欧州ガイドラインでは96.3%といずれも90%以上の一致率を認め、ASGE(アメリカ消化器内視鏡学会)がResect and Discard strategyについて許容する基準閾値に達していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者リクルート遅延のため
|
Strategy for Future Research Activity |
「Resect and Discard」strategyを実践するために、米国内視鏡学会が提示している許容基準(ポリープ切除後の推奨サーベイランス間隔において内視鏡診断と最終病理診断との一致率が90%以上)を満たすことが出来るかを検証する。さらに上記の診断体系を確立後、前向きランダム化比較試験を実施しさらにエビデンスレベルの高い検証を行う。
|
Causes of Carryover |
主研究者が学外施設へ異動となったため、一年間研究に従事できる環境になかったため。必要経費は次年度へ繰り越し、物品、データセンターとの契約に使用予定である。
|