2021 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪肝炎に伴うサルコペニアの対策及び予後予測マーカーの開発
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21K15953
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
瀬戸山 博子 熊本大学, 病院, 助教 (90796103)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / サルコペニア / タンパク質過酸化物 / 還元型アルブミン / マイオカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
NAFLD/NASH患者の臨床像と還元型・酸化型アルブミン及びAOPP量の関連に関する検討について初年度である令和3年度では32症例より同意を得て体組成、筋力および肝線維化マーカーなどのデータとともに抗酸化剤を添加した専用採血管を用いて採取した血液(遠心後、-80度にて保管)を得ることができた。AOPP、血清アルブミン量、還元型、酸化型、糖化型アルブミンの比及び絶対量、血中マイオカインの測定は次年度に収集した症例から得られる保存血清と併せて実施予定であり、NAFLD/NASH患者の臨床像との関連は次年度に解析予定である。現時点で収集し得た症例においては肝線維化が比較的軽度な症例が多く、今後の症例収集において線維化進展例の登録が研究の遂行に重要であると考えられる。 動物実験モデルを対象とした検討については、今年度はコリン欠乏高脂肪食(ChD-HFD)マウス4体を用いて血液の採取および握力測定を行い、NASH単独での評価を行った。コリン欠乏高脂肪食開始後0週から52週について経時的に評価し、NASHの発生、進行による筋力、還元型・酸化型アルブミン、AOPP量の変化について解析予定である。動物モデルにおいてもAOPP、血清アルブミン量、還元型、酸化型、糖化型アルブミンの比及び絶対量、血中マイオカインの測定は次年度に行うNASH+サルコペニアモデル(加齢マウスに高脂肪食を8週投与)から得られる検体と併せて実施予定である。ChD-HFDマウスにおいて給餌4週後より血漿中ALTは高値を呈し、体重は緩やかな上昇を示していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NAFLD/NASH患者の臨床像と還元型・酸化型アルブミン及びAOPP量の関連に関する検討については、今年度32症例より体組成、筋力および肝線維化マーカーなどのデータとともに抗酸化剤を添加した専用採血管を用いて採取した血液(遠心後、-80℃にて保管)を得ることができた。保存血を用いたAOPP、血清アルブミン量、還元型、酸化型、糖化型アルブミンの比及び絶対量、血中マイオカインの測定は、測定に用いるカラムを効率的に利用するため次年度に収集した症例から得られる保存血清と併せて実施予定である。ヒト検体での症例登録数は予定通りの進捗であった。 動物実験モデルを対象とした治療介入への還元型・酸化型アルブミン、AOPP量による評価に関する検討については、今年度使用予定であった加齢マウスの生産が十分でなかったことから、NASH+サルコペニアモデル(加齢マウスに高脂肪食を8週投与)へのサルコペニアに有効とされている治療介入実験を実施することができなかった。そのため今年度はコリン欠乏高脂肪食(ChD-HFD)マウスを用いて経時的に血液の採取および握力測定を行い、NASH単独での評価を行った。本データを用いてNASHの発生、進行による筋力、還元型・酸化型アルブミン、AOPP量の変化について解析予定である。 NAFLD/NASH患者を対象とした治療介入への還元型・酸化型アルブミン、AOPP量による評価に関しては、令和4年度からの症例収集を予定しており今年度は検討していない。 上記より動物実験モデルにおいて進捗がやや遅れているもののヒト検体については順調に症例を収集できており、進捗の遅れについては次年度以降の挽回が可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
NAFLD/NASH症例の集積に関しては今年度に引き続き熊本大学病院および関連病院に通院あるいは入院中の症例を対象に継続する。登録症例に対して当科が所有する人体部位別インピーダンス測定の可能な体成分測定機器、デジタル握力計、CTを用いて骨格筋量などの体組成および筋力の測定を行う。またESI-TOFMS を用いた血清アルブミン量、還元型、酸化型、糖化型アルブミンの比及び絶対量の測定およびAOPPの定量、血清チオール、ペルオキシルラジカル消去活性などの酸化ストレスマーカー、フェリチンなどの肝線維化マーカーの測定を行う。これらの結果を解析し、NAFLD/NASH患者の体組成を反映するバイオマーカーを明らかにする。また同意を得られた患者については抗酸化物質(サプリメント)投与を行い、還元型・酸化型アルブミン、AOPP量の治療効果マーカーとしての有用性を確認する。 動物実験モデルについては、加齢マウスに高脂肪食を8週投与したNASH+サルコペニアモデルに対して分岐鎖アミノ酸製剤、Lカルニチン製剤、抗酸化物質( ビタミンC、Nアセチルシステインなど)を投与し、経時的に血清アルブミン量、還元型、酸化型、糖化型アルブミンの比及び絶対量、AOPP、血中マイオカインを測定する。またマウス用握力測定装置を用いて経時的に握力を測定する。今年度収集したNASHモデルマウスから得られたデータと併せて治療介入の有無による表現型の違いを評価し、サルコペニア治療の有効性を確認するとともに還元型アルブミン、酸化型アルブミン、AOPPの有効性評価におけるバイオマーカーとしての有用性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度使用予定であった加齢マウスの生産が十分でなかったことから、NASH+サルコペニアモデル(加齢マウスに高脂肪食を8週投与)へのサルコペニアに有効とされている治療介入実験を実施することができなかった。そのため今年度は当教室で共同飼育していたコリン欠乏高脂肪食(ChD-HFD)マウスを用いて経時的に血液の採取および握力測定を行い、NASH単独での評価を行った。それにより加齢マウスの購入、飼育が次年度となったため次年度使用額が生じた。
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Research Products
(11 results)