2023 Fiscal Year Annual Research Report
a novel microprotein MKMP78 in gastrointestinal tumor
Project/Area Number |
21K15979
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
神田 真聡 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40796348)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロプロテイン / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では我々が独自に発見したマイクロプロテインの一つであるMKMP78の大腸癌における分子機構とMKMP78の発現変化が腫瘍細胞の表現系にどのような影響を与えるかを解析すること、更に臨床検体に於けるMKMP78の発現量を解析し患者予後などへの影響について検討することを目的としている。 令和4年度までの検討で一部の大腸癌細胞株におけるMKMP78の発現が確認できた。発現細胞に対して、siRNAによるノックアウト実験を行ったところ、細胞増殖抑制が確認された(細胞数確認およびWST-8アッセイ)。MKMP78がミトコンドリア局在タンパクであることから、細胞代謝に影響を与えている可能性が示唆された。また、令和3年の結果であるPRISMAの結果を再検討し、ミトコンドリア蛋白との結合の可能性を検討したところ、MKMP78の中央部にミトコンドリア蛋白との結合が増強される部位があることがわかり、いくつかのミトコンドリア蛋白と複合体を形成している可能性が示唆された。共免疫沈降によりそのうちの一部のタンパクXが共沈降された。このことからMKMP78はタンパクXと細胞内で共同して働いている可能性が示唆された。タンパクXはTCAサイクルを制御するタンパクの一つであり、MKMP78がタンパクXの働きを補助する(あるいは制御している)と考えると、WST-8アッセイの結果とも合致する。患者検体における免疫染色の結果からも、大腸低分化腺癌においてMKMP78の発現増加がみられることから、MKMP78はタンパクXの働きを補助し低分化腺癌の強い細胞増殖活性を支持している可能性が示唆された。MKMP78は低分化腺癌の新たな治療ターゲットとなりうる可能性が示唆される。現在これらの研究結果をまとめた論文を現在準備中である。
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