2023 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌投与による腫瘍免疫増強とNASH肝癌治療法の開発
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21K15980
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| Research Institution | Yokohama City University |
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Principal Investigator |
小林 貴 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50825768)
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2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 肝癌 / NASH / MASH |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸内細菌Faecalibacterium prausnitziiによるNASH肝癌の予防効果と腫瘍増大抑制効果を検討する。
マウスに対して5週齢から普通食、もしくは高脂肪・高フルクトース・高コレステロール添加食を負荷した。さらに、6週齢からDiethylnitrosamineの腹腔内投与を合計6回投与した。食餌負荷を加えずDEN腹腔内投与のみを行ったマウスでは24週齢で背景肝に脂肪化や線維化といった非アルコール性脂肪性肝炎（NASH）の病理学的特徴を認めず、また、肝発癌を認めなかった。一方、食餌負荷＋DEN腹腔内投与のマウスでは24週齢で背景肝の脂肪化と線維化を認め、さらに肝腫瘍が発生することを確認した。また、後者では36週齢で肝内に腫瘍が多発した。
このNASH肝癌モデルマウスに24週齢から12週間、Faecalibacterium prausnitziiの生菌もしくはvehicleとしてリン酸緩衝食塩水（PBS）を連日経口ゾンデ投与したところ、生菌投与群で腫瘍の個数と総体積が有意に低値となった。
また、加熱したFaecalibacterium prausnitziiの死菌を同様に12週間投与しても、PBS投与群と比べて死菌投与群で腫瘍の個数と総体積が有意に低値となった。この結果より、Faecalibacterium prausnitziiの代謝産物ではなく菌体成分にNASH肝癌の抑制効果があると考えられた。
さらに、FITC-Dextranを用いた腸管透過性の評価では、生菌投与群と死菌投与群でともに、vehicle群と比べて有意に腸管透過性亢進が改善していた。腸管透過性の改善が肝癌の発症や進行の抑制に関与している可能性が考えられた。
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