食道好酸球浸潤による食道運動障害の病態解明

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K15982
• Research Institution: Osaka City University
• Principal Investigator: 沢田 明也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30804728)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 食道運動障害

Outline of Annual Research Achievements

食道運動障害においては下部食道括約筋の弛緩不全と食道体部の蠕動不全を呈する１型と２型の食道アカラシアに加えて、spasticな食道体部の蠕動が特徴的な３型食道アカラシアやdistal esophageal spasm、Hypercontractile esophagusが存在する。いずれにおいても運動障害が起こるメカニズムはほとんど解明されていない。本研究では病態解明のために食道運動機能において中心的役割を果たしている固有筋層及びその周囲の神経支配について詳細な解析を行うことを目的として、内視鏡的筋層切開術を受ける食道運動障害患者より同意を得た後、術中に筋層生検を行いサンプルの集積を進めている。内視鏡的筋層切開術中に安全に十分な筋層生検が可能であることが本邦より報告されているが、当施設でも手技的に問題なく行えることが確認できた。現在収集した筋層検体に対して免疫染色を行い、神経支配解析に最適な染色条件の調整を行っている。筋層生検検体に対してHE染色による線維化や炎症性細胞浸潤の評価もあわせて行っているが、好酸球はほとんど筋層に見られておらず、より各種血球が同定しやすいような染色方法についてさらなる検討が必要であると考えられた。生検検体の顕微鏡的所見と対比させるための臨床情報についても同時に収集、解析を進めており、患者基本情報以外にも食道内圧測定や内視鏡、バリウム食道造影の結果を同時に分析し正確な食道運動障害の診断を行っている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症による診療制限により検体収集に遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

さらなる食道運動障害患者の筋層生検検体の収集を進め、免疫染色による神経支配の解析を進めていく。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症のため日常診療が制限され、予定よりも内視鏡的筋層切開術を受けた患者数が少なかったため。次年度にコロナウイルス感染症が落ち着いていればより検体の集積を進めて、免疫染色関連物品に使用する予定である。