2021 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪性肝疾患の病態形成におけるヒストンメチル化修飾の役割
Project/Area Number |
21K15989
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中塚 拓馬 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50772042)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / NAFLD / エピジェネティクス / ヒストン修飾 / G9a |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は極めて有病率の高い生活習慣病の1つであるが、未だ有効な薬物治療がなく新たな創薬につながる病態解明が望まれる。エネルギー代謝を担う遺伝子発現制御にはエピジェネティック機構の関与が知られるが、本研究は過剰なエネルギー供給にさらされた肝細胞におけるエピゲノム状態の変化に着目したNAFLDの病態解明を目指すものである。2021年度は下記研究成果を得ている。高脂肪食を摂取した野生型マウスとG9a肝特異的ノックアウトマウス(G9a KO)の比較から下記のことが明らかとなった。
1.G9aKOでは脂肪肝形成が抑制され、さらに耐糖能、インスリン感受性、炎症が改善した。 2. 肝サンプルを用いた網羅的遺伝子解析の結果、G9aKOではPPARシグナルや脂質合成に関与する遺伝子発現が低下した。 3. さらにG9aKOでは肝への脂肪酸取り込みに関与する一連の遺伝子発現が低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画に従って、予定通りマウスモデルを用いて、ヒストンメチル化酵素G9aが脂肪肝病態形成に重要な役割を担う可能性があることにつき検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、網羅的遺伝子解析により抽出された遺伝子群がG9aにより発現制御されるメカニズムの解明を実施する、具体的にはChip-seqなど予定している。さらにメタボローム解析により代謝産物の変化も検討予定である。
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Causes of Carryover |
生化学実験試薬、細胞培養試薬・器具、実験動物関連のほか、研究成果発表ならびに論文作成関連に使用予定。
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