2023 Fiscal Year Annual Research Report
肥満・代謝改善を目的とした内視鏡的胃筋層神経叢切開術の確立
Project/Area Number |
21K15999
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 泰史 岡山大学, 大学病院, 助教 (80815168)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肥満症 / 内視鏡治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満・糖脂質代謝改善のための内視鏡的胃筋層神経叢切開術(以下POEM-N)の確立を目指した有効性評価に関して令和3~5年度に生後8週のブタモデルを用いて動物実験で検証した。岡山大学鹿田動物実験施設でブタ16匹(うち1匹は気道確保不良で安楽死となったため検証から除外、もう1匹は環境に不適合で食餌摂取不良を起こしてしまったため検証から除外)を用いて行った。普通食コントロールとPOEM-N群に振り分けて、処置後8週間飼育し、体重および血液採取を処置前、2週後、4週後、8週後に行った。また、各時点で内視鏡を用いた胃内の状態評価を行った。特に令和5年度は、それぞれの時点での血中糖脂質値の変化を測定した。いずれのブタも生育に合わせて通常の2倍量の給餌を行った。8週後に安楽死させ、胃および肝臓の組織採取を行った。肝臓組織中の脂質値も令和5年度に測定した。体重変化および血清糖脂質値・肝臓組織中の脂質値は、データ測定が終了しており、今後結果を解析予定である。 なお、今回の研究では先行実験で用いたPOEM-N法を改良したPOEM-N改良法(胃前庭部と体部をともに筋層神経叢切開を行う)を主に用いて行った。POEM-N改良法による重篤な偶発症はなく、いずれのブタも翌日より食餌摂取可能で、抗生剤や鎮痛剤の投与は必要とせず、処置後8週まで、経過良好であった。POEM-N後は食餌摂取量が低下する傾向にはあったが、成長を阻害するような影響はなかった。体重変化に与えた影響は、血清糖脂質値や組織中の脂質値と合わせて、現在データ解析およびデータの解釈を検討中である。
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