2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16001
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬渡 誠一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50735339)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルコール / 膵酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、肝細胞癌の成因としてアルコール性肝障害が増加している。エタノールの長期摂取は、肝障害のみならず膵や腸管機能も低下させるため、膵機能と脂肪肝、肝発癌には密接な関係があることが示唆されるが、その機序については十分に解明されていない。本研究では、膵機能が低下したモデル動物にエタノールと高脂肪食を摂取させることで、肝線維化、肝発癌が促進されるのか、また消化酵素を同時に摂取させることで、肝線維化、肝発癌が抑制されるのかを明らかにすることを目的とした。 今回、野生型C57BL/6Jマウスに生後2日目に200μgのストレプトゾシンを皮下に単回投与し、膵機能を低下させ、高脂肪食投与により約9-12週で肝線維化、約16週齢で肝癌が発症するSTAMマウスを使用した。5w齢のSTAMマウスを、1.高脂肪食、2.高脂肪食+10%エタノール、3.高脂肪食+膵酵素の3群に分け、肝発癌、肝線維化を検討した。しかし、61.4%のマウスが16週までに死亡し、特に、高脂肪食群が全例死亡した。高脂肪食+10%エタノール群では、全例で肉眼的に明らかな肝発癌がみられたが、高脂肪食+膵酵素群では50%のマウスに肝発癌みられ,腫瘍径も小さかった。高脂肪食+膵酵素群は高脂肪食+10%エタノール群と比較し、肝重量が軽く、ASTが低く、肝組織中の脂肪沈着が少ない傾向であった。リアルタイム-PCRでは、TNF-α、IL-6、TGF-βなどのサイトカインやmatrix metalloproteinase (MMP)に差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
飼育方法について、当科でのこれまでの経験と同様の方法で行っていたが、今回全体で61.4%のマウスが死亡し、特にコントロール群の高脂肪食群が全例死亡するなど、比較検討ができなかった。現在、コントロール群の死因、飼育環境、食餌、飲水量などを調査している。
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Strategy for Future Research Activity |
アルコール群は腫瘍径が大きく、早期に発癌していることが示唆されたため、飼育期間、膵酵素の投与量などを精査し、コントロール群を含め、飼育数や群(高脂肪食+アルコール+膵酵素など)を増やして再検討予定である。 また、セルレインやdibutyltin dichloride (DBTC)を用いた膵炎モデルでも同様の検討を行う予定である。
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[Journal Article] Features of patients who developed hepatocellular carcinoma after direct-acting antiviral treatment for hepatitis C Virus2022
Author(s)
Mawatari S, Kumagai K, Oda K, Tabu K, Ijuin S, Fujisaki K, Tashima S, Inada Y, Uto H, Saisyoji A, Hiramine Y, Hashiguchi M, Tamai T, Hori T, Taniyama O, Toyodome A, Sakae H, Kure T, Sakurai K, Moriuchi A, Kanmura S, Ido A.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 17(1)
Pages: e0262267
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Serine palmitoyltransferase long chain subunit 3 is associated with hepatocellular carcinoma in patients with NAFLD2022
Author(s)
Ijuin S, Oda K, Mawatari S, Taniyama O, Toyodome A, Sakae H, Tabu K, Kumagai K, Kanmura S, Tamai T, Moriuchi A, Uto H, Ido A.
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Journal Title
Mol Clin Oncol.
Volume: 16(2)
Pages: 55
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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