2023 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント阻害剤関連大腸炎発症機序、抗腫瘍効果増強機序の理解
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21K16010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牟田口 真 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (90868473)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍患者に対し第4の治療法である免疫チェックポイント阻害治療が様々な癌腫に対し有効であり実臨床に用いられている。Responderを特徴づけるものとして特定の腸内細菌の存在が示唆されている。腸内細菌による関与が指摘されており特にAkkermansia muciniphilaといった菌が特徴的に存在する患者において免疫チェックポイント阻害剤治療による大腸炎が起きやすいことが判明している。免疫チェックポイント阻害剤副作用による大腸炎(ICI related enteritis)と抗腫瘍効果増強するメカニズムについては明らかではない。 ICI related enteritisを発症した患者における免疫細胞TCRレパトアを解析した。腎臓がん患者において免疫チェックポイント阻害剤を使用した患者のうち、下痢、血便をきたした患者に対して内視鏡を施工し、免疫チェックポイント阻害剤による大腸炎と診断された患者の便を採取し、ステロイド、止痢剤などで治療を2週間行なった後の便と比較した。患者内で治療前にはAkkermansia muciniphila が多く、治療後にはAkkermansia muciniphilaが減少していた。 ICIは既報においてCD4, CD8に発現するCTLA-4, PD1に作用するとされており、T細胞の重要性が明らかであるために、同一患者ICI related enteritisにおいてT細胞1細胞レベルでのTCRレパトアの変化について検討した。免疫チェックポイント阻害大腸炎治療前、治療介入後2週間後に内視鏡で腸管サンプルを取得し、治療前後のT細胞におけるTCRレパトアを分析した。ICI related colitis発症時の大腸内T細胞におけるTCRレパトアは多様性を示しており、治療後は特定のTCRレパトアに収束していることを見出した。
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