2023 Fiscal Year Annual Research Report
HFpEF治療におけるキサンチン酸化還元酵素 (XOR) の有効性の検討
Project/Area Number |
21K16015
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 賢 山形大学, 医学部, 客員研究員 (40787248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HFpEF / XOR活性 / ROS |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では高齢人口の増加に伴い心不全患者が急激に増加しており、中でも左室駆出率が保たれた心不全 (heart failure with preserved ejection fraction: HFpEF) の増加が社会問題となっている。標準治療が確立した左室駆出率が低下した心不全 (heart failure with reduced ejection fraction: HFrEF) とは異な り、HFpEFは有効な治療法が未だ確立していない。HFpEFの病態には高血圧、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を背景とした全身性の炎 症と酸化ストレス (reactive oxygen species: ROS) による血管内皮障害の関与が報告されている。ROSは血管内皮における一酸化窒素 (nitric oxide: NO) を 低下させ内皮機能不全を引き起こす。キサンチン酸化還元酵素 (xanthine oxidoreductase: XOR) はプリン体代謝の最終段階で尿酸を産生すると同時にROSの産 生にも重要な役割を果たす。本研究では、HFpEFにおけるXORが果たす役割を検討した。 In vitroの実験ではヒト臍帯静脈内皮細胞を用いてIL-6やTNF-α刺激を行い、内皮細胞におけるXORの発現を解析した。しかし、XORの発現量が少なく解析が困難であった。In vivoの実験ではHFpEFモデルマウスを作成し、心臓と肝臓のサンプルにおけるXORの発現をウェスタンブロット法で解析した。コントロールのマウスと比較してHFpEFモデルマウスにおけるXOR発現の有意な上昇は確認できなかった。またELISAキットを用いて心臓・肺・肝臓・腎臓・(精巣上体)脂肪のXO活性の測定を行ったが、対照群とHFpEFモデルマウスとの間に有意な差は認めなかった。
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