2023 Fiscal Year Annual Research Report
静脈血栓塞栓症患者の診療実態と予後を検討する多施設共同観察研究
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21K16022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 侑吾 京都大学, 医学研究科, 助教 (10844920)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 静脈血栓塞栓症 / 抗凝固療法 / 再発 / 出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定通り多施設による大規模な研究データベースを構築し、予定通りの解析を実施し、主解析の結果として、日本のDOAC時代における静脈血栓塞栓症の実態を明らかにする事が出来た。「Anticoagulation strategies and long-term recurrence in patients with venous thromboembolism in the era of direct oral anticoagulants」としてEur J Intern Med . 2023 Dec:118:59-72.に報告する事が出来た。 最新の世界的な再発リスクの分類に応じて全体の患者群を5群に分けて解析を実施し、それぞれの群間における特徴が明らかになるとともに、DOAC時代となり、ワルファリン時代より静脈血栓塞栓症の再発リスクの低減が見られる模様であったが、一方で出血リスクに関しては、がん患者を中心に高い事も明らかになり、本領域では引き続き出血に対する適切な対応やさらなる発展・研究が必要となる事が示唆された。特に抗凝固療法の中止後の再発リスクに関しては、欧米からの報告と発症率と近似しており、日本でも再発への十分な警戒が必要である事が明らかとなった。 同研究からは、さらにサブ解析という形で、複数の検討がさらに進んでおり、特にDOAC時代となり、肺塞栓症の外来治療の可能性に関して深く検討した課題に関しては、すでに解析が進んでおり、DOAC時代となり肺塞栓症の症例でも外来治療は増加したが、しかしながら以前として比較的少数であり、一方で低リスクの患者は安全に外来治療が選択できる事も示唆されており、今後、低リスク肺塞栓症の患者に対する外来治療を直接的に検証する様な研究をさらに進める必要性が明らかとなった。
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