2022 Fiscal Year Annual Research Report
血管老化に着目した慢性血栓塞栓性肺高血圧症における血栓器質化機序の解明
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21K16023
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷口 悠 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80823046)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血栓 |
Outline of Annual Research Achievements |
二光子顕微鏡によるイメージング法を用いた血栓の解析を実施した。今年度も昨年度に引き続き二光子顕微鏡の不調があり、イメージング研究の進捗が遅れたが、2022年12月に本格的に再稼働できた。その中で、今年度は二光子顕微鏡の追加修理の間に、フィルター設置条件を再検討することで、4色同時イメージングが可能か否かを検討した。二光子励起可能な励起光波長を持ちながら、既存のDAPI,FITC,Cy3の3波長領域より長いCy5領域の蛍光をもつ、Qtracker655を検出できるように二光子顕微鏡の最適化を行った。新規にCy5用のフィルターを追加しても、CY5領域の蛍光を検出できなかった。この原因を検討したところ、予想外に検出光の光路において、UV領域とCY5より遠位の波長をブロックするようなフィルターがデフォルトで設置されていた。これを除いてみたところ、多波長領域とシグナルの重ならない独自の蛍光シグナルを検出可能となり、Qtracker655を実際にマウスに投与した場合においても血管領域に一致した血流シグナルを得ることに成功した。しかし、この条件下ではSHG(第二次高調波)によるコラーゲン繊維の検出が一部の励起光波長においては困難になることが一部デメリットになることがわかったが、これも、励起光波長の最適化によって、最低限のSHG検出に成功し、4色同時イメージングを生体において可能とすることができた。以上より、血栓形成に対する生体イメージングの観察条件を最適化することができた。
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