2021 Fiscal Year Research-status Report
梗塞後心リモデリング形成におけるCXCR7関連炎症性細胞の統合的機能解析
Project/Area Number |
21K16048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 理人 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (60897677)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋梗塞 / CXCR7 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は既に、ケモカイン受容体CXCR7が心筋梗塞後の心拡大や収縮能低下に対し、保護的に働いていることを報告した。本研究ではその機序を、心筋梗塞後の急性炎症及び組織修復過程において、より統合的に解明し、臨床応用に繋げることを目指している。 マウス心筋梗塞モデルにおけるCXCR7の作用を、特に細胞生存に対する作用に着目し、遺伝子発現や組織観察により、詳細に解析している。抗アポトーシス作用に着目し、心筋梗塞後のアポトーシスやそれに関連する遺伝子の発現を追っている。また、並行してアデノ随伴ウイルスを用いて心臓にCXCR7を発現させる手法の確立も順調に進んでいる。現時点で判明しているシグナルについて国際学会を含めた学会での発表を行っている。 培養心筋細胞で、アゴニストによるCXCR7の刺激方法を確立した。培養心筋細胞におけるCXCR7のシグナルを、RNA sequencingを用いて網羅的に解析することに着手した。今後は、RNA sequencingでスクリーニングしたCXCR7の作用を、既に確立したマウス心筋梗塞モデルで解析していく。アデノ随伴ウイルスによる心臓へのCXCR7遺伝子導入を臨床応用に繋げられるよう研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスモデルと培養心筋細胞の両面で解析を進めている。アデノ随伴ウイルスにより心臓への遺伝子発現もおおむね実現できている。ただし新型コロナウイルス感染症による研究制限の期間があり、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
培養心筋細胞においてRNA sequencingでスクリーニングしたCXCR7の作用を、既に確立したマウス心筋梗塞モデルで、空間的かつ時間的に解析していく。アデノ随伴ウイルスを用いたCXCR7の心臓への遺伝子導入で、臨床応用に繋げられるように、解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による研究制限の期間があり、予定より研究が遅れたから。次年度は、本年度間に合わなかったRNA sequencingの解析や空間的トランスクリプトーム解析、本年度準備したアデノ随伴ウイルス作成の費用がかかる見込みである。
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