2022 Fiscal Year Research-status Report
ストレス刺激に対する遷延性交感神経活動増強応答におけるグリア細胞の役割の解明
Project/Area Number |
21K16053
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
河野 洋介 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00747454)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイクログリア / 低酸素 / 呼吸循環応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
高血圧症は心血管疾患の最大のリスク因子であるが、本態性高血圧発症のメカニズムは明らかでない。身体的あるいは精神的ストレスを受けると血圧上昇・心拍数増加といった循環応答が惹起されるが、ストレス消失後にもこれらの循環応答が遷延する場合には、将来、高血圧を発症するリスクが高まることが報告されている。 研究代表者らは、これまでに視床下部背内側核と吻側延髄腹外側野や吻側延髄腹内側野・尾側延髄腹外側野・延髄縫線核といった、延髄腹側循環調節領域が解剖学的および機能的結合を有することを報告し、本研究ではこれらの結合にはグリア細胞が大きな役割を担うという仮説を検証している。 本年度は、グリア細胞のうちマイクログリアに着目し検証を行った。マイクログリアは、慢性低酸素状態に対する呼吸循環応答に関与していることが報告されているが、急性低酸素負荷に対しどのような役割を担うのかは明らかにされていない。そこで、無拘束のラットを用いて、二種類の急性低酸素負荷に対する呼吸循環応答を、マイクログリア活性化阻害剤であるミノサイクリンの投与の有無により比較した。結果、マイクログリアは正常酸素濃度では血圧調節に抑制的に寄与する一方で、低酸素濃度では換気量増加を維持するのに役立つことを見出し、これらの結果を学術誌に報告した。 また、重度の低酸素はけいれん発作を惹起し、時に呼吸停止を生じる。ミノサイクリンを前投与した場合、重度の低酸素に対するこれらの反応に抵抗性を示す傾向があることを見出し、マイクログリアが低酸素によって引き起こされるけいれん発作およびその後の呼吸停止を助長する可能性が示唆された。これらの結果について、学術誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたカルシウムイメージング法については、実験手技の獲得に難渋しており、研究が停止している。一方で、マイクログリアについての見解を学術誌への報告し得たことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの生理学的実験で得られた知見を総括し、ストレス負荷時の遷延性応答の機序の解明を主方策とし研究をすすめていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していたカルシウムイメージング法の実験手技の獲得に難渋しており、本手技による実験を進めることができず、差額が生じた。次年度は引き続き本手技の確立を目指すとともに、これまでに得られた知見および近年の報告を総括し、研究を進めていく。
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Research Products
(2 results)