2022 Fiscal Year Research-status Report
胸部X線透視動画解析ソフトを活用した新たな肺血栓塞栓症診断アルゴリズムの確立
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21K16054
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
荻原 義人 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (70626572)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胸部X線透視動画解析 / 肺血栓塞栓症 / 肺高血圧症 / 胸部X線透視動画解析ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
肺血栓塞栓症は、その発症頻度は増加傾向にあり、今後さらに重要となる疾患の一つである。その診断は自他覚所見、D-dimer測定等によりスクリーニングをし、肺動脈造影CTを中心とした画像検査で確定診断される。しかしD-dimerの偽陽性例や造影剤使用困難例などが存在するため、より低侵襲的で精度の高いスクリーニング法の確立が期待される。本研究は、非造影下胸部X線動態画像の透視動画解析法を用いたスクリーニング法の確立と新規の診断アルゴリズムの開発を目的として、実施することとした。肺血栓塞栓症の診断における有効性が確認されれば、重症度評価やさらには他の肺循環疾患の診断・病態評価への応用も期待できる。 2021年度を中心に「肺循環疾患の診断におけるRadwisp(胸部X線透視動画解析ソフト)の有用性の検討~単施設前向き観察研究」(UMIN試験ID:UMIN000042264)(目標症例50例達成:肺血栓塞栓症 23例、非肺血栓塞栓症例 27例)を実施した。2022年度にデータ集計を行い主要評価項目の解析を行った。主要評価項目は肺血栓塞栓症の検出の性能(感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率)であり、日本循環器学会総会でその結果報告を行った。肺血栓塞栓症において、特に症候性の急性肺血栓塞栓症例で、非常に高い感度で疾患を検出でき、スクリーニングツールとしての有用性を示すことができた。現在、主解析に関して英文原著論文を作成中であり、研究成果を公表していく。さらに副次評価項目である、他の肺循環疾患における有用性について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19パンデミックの影響をうけ、単施設試験の進行が遅れてしまったが、データ集計、解析は進捗し、主解析に関して学会報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1)肺高血圧症に対する副次解析をすすめ、胸部X線動態画像解析の有用性を検討していく。 2)次年度の科研費申請に本研究を継続申請できるよう、新規の前向き観察研究を検討・計画する。
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Causes of Carryover |
単施設前向き観察研究の実施及び解析が当初の予定より、遅れた。本年度に本研究成果を各学会および論文で報告していく。新規の前向き観察研究を計画し、実施していく。
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Research Products
(1 results)