2021 Fiscal Year Research-status Report
代謝イメージングに基づく薬剤性心筋症の新規診断指標と治療効果判定指標の確立
Project/Area Number |
21K16056
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千村 美里 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80815506)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 心臓核医学検査 / 薬剤性心筋症 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アントラサイクリン系抗癌剤による心毒性の早期発見における安静2回 99mTc-MIBI心臓核医学検査の有用性を明らかにし、安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査に基づくアントラサイクリン心筋症早期診断指標を確立すること、また、心毒性に対する治療介入後の安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査に基づく治療効果判定指標を確立することである。2021年度は安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査の検査プロトコル、撮影方法の確立、また、大阪大学医学部附属病院に入院しアントラサイクリン系抗癌剤投与を予定されている患者の登録を約10名前向きに行った。次年度以降も、引き続き症例登録を行い、かつ登録した患者の半年後、1年後フォローを進めていく予定である。また、薬剤性心筋症患者の臨床情報を後ろ向きに収集し、早期像から得られる、生きている心筋の量を示す心筋血流の指標や早期像と後期像から得られる、心筋の質を表す洗い出し率と心筋保護薬との反応性に関し解析を行った。結果、心筋血流が保持されている症例は、心筋保護薬に対する反応性が良好であることが示唆された。次年度以降は安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査から得られる、心筋の量や心筋の質以外の指標と心筋保護薬の反応性に関する検討や安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査から得られる指標と罹患歴等の臨床情報や抗癌剤投与量、併用薬との関連などの検討も進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査撮像機種の変更が年度途中であり、検査プロトコル、撮影方法の見直しが必要となったため、患者登録開始が遅れた。COVID19の感染拡大の影響を受け、入院患者の制限が行われたため対象患者数が予定よりも少なくなってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度と同様、アントラサイクリン系抗癌剤投与予定患者に対し症例登録を進め、継時的に安静2回99mTc-MIBI心臓核医学検査、心臓超音波検査などを行い、データ取得を進める。また、薬剤性心筋症患者に対する安静2回99mTc-MIBI後ろ向き研究より、安静2回99mTc-MIBI 心臓核医学検査指標と他の臨床指標との関連について検討し、学術論文として発表を行う。
|
Causes of Carryover |
COVID19流行下にて入院患者数の減少がみられたことと、学会などへの旅費申請が無かった事も一因と考えられる。次年度以降の入院患者数の減少は今年度ほどではないと考えられるため、今年度の使用予定であった経費は来年度に同じ目的で使用可能と考える。
|
Research Products
(5 results)