2022 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPR screening for mitophagy regulation and its Application to therapy of heart failure
Project/Area Number |
21K16062
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
樋口 雄亮 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50883089)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / ミトコンドリア / マイトファジー / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全の要因には局所の心筋虚血が関与していること、また心不全の心筋ミトコンドリアには形態・機能的異常が起こることが知られている。そこで、本研究では低酸素環境下でのミトコンドリア品質制御機構であるマイトファジーの分子基盤を解明するためCRISPR-KOライブラリを用いて検索を行った。 スクリーニングからは低酸素下でのマイトファジーを正に制御する遺伝子の一つにSlc25a11が挙がった。スクリーニング結果の検証実験からはHIF1aと比較してもより強い制御を認めた。Slc25a11を過剰発現させたところ、マイトファジーの促進が確認された。Slc25a11の主な機能としてGSHのミトコンドリアへのトランスポートに関与していることに加え、マイトファジーをLC3認識配列であるLIRモチーフを有することが分かった。 そこで、LIRモチーフに変異を加えたSlc25a11を過剰発現させた場合、通常のSlc25a11を過剰発現ときと比較してマイトファジーを部分的に抑制することが確認された。トランスポーター機能の変異をもつSlc25a11を導入した場合はその変異部位によってマイトファジーの制御は様々であった。Slc25a11がマイトファジーを制御するメカニズムにはLC3依存的なメカニズムと、トランスポーター機能を含めた他のメカニズムも関与している可能性が考えられた。 今後①Slc25a11の失活や過剰発現とミトコンドリア機能の関係②Slc25a11のトランスポーター機能変異やLC3配列変異とミトコンドリア機能の関係を評価することで、Slc25a11のどの性質がマイトファジーを制御するメカニズムに関与していくのかを解明する重要と考えられる。
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