2021 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of left ventricular thrombus after acute myocardial infarction by delayed enhancement multidetector computed tomography
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21K16077
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡部 浩明 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80795302)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | MDCT遅延造影 / 急性心筋梗塞 / 左室内血栓症 / 脳梗塞 / 全身塞栓症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心筋梗塞の急性期に治療として行うPCI中に冠動脈に注入した造影剤を利用してPCI終了直後に非造影でMDCTを施行し得られる遅延造影像を用いて心筋梗塞の心筋傷害を評価した研究である。 本研究の目的は、心筋梗塞後のMDCTによる遅延造影像が急性期左室内血栓症、慢性期の全身塞栓症の発症を予測しうるか検証することである。左室内血栓症は急性心筋梗塞患者の4~15%程度に生じる合併症であり、脳梗塞を含む全身塞栓症の原因となり、発症後のADLの低下や死亡に関連する。そのため、左室内血栓症の発症するハイリスク患者を同定することは臨床上重要な情報となる。 本年の研究実績としてはMDCT遅延造影所見と左室内血栓症の発症との関連を画像解析により評価し、心尖部を取り囲むような貫壁性のMDCT遅延造影所見(J型遅延造影)を呈する患者では、左室内血栓症や全身塞栓症を有意に多く発症することを発見した。この研究は第86回日本循環器学会報告し、現在論文化を進めている。 今後はMDCT遅延造影所見と心筋梗塞後の慢性期心血管合併症との関連に関してさらなるデータを集め、さらに研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心尖部を取り囲む貫壁性のMDCT遅延造影所見(J型遅延造影)と左室内血栓症との関連を発見し、学会発表を行うことができた。今後は国際学会での報告や論文報告を目指している。 しかし、研究計画の2つ目である前向き研究に関しては、covid-19の影響もあり、準備段階で停滞してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後MDCT遅延造影による左室内血栓症の予測に関する研究に関しては、国際学会での発表を行い、論文報告を進めていく。 また、MDCT遅延造影による急性期合併症(左室内血栓・心破裂・致死的不整脈・心不全などの発症)の評価、MDCT遅延造影の有用性の検証を筑波大学附属病院と関連病院の多施設で前向きに行う研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、他施設前向き研究の開始に遅れを生じたことや国内学会や国際学会がWeb開催となったため旅費が不要となったため、支出が少なかった。 今年度は新たな画像解析装置の導入や新たな前向き研究の準備資金、国際学会への参加などの支出を要する見込みである。
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