2022 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧症を標的とした左室駆出率の保たれた心不全の多角的・包括的病態解明
Project/Area Number |
21K16078
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小保方 優 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10746770)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 左室駆出率の保たれた心不全 / 肺高血圧症 / フェノタイピング / 運動負荷試験 / 右心カテーテル検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)もしくは肺動脈性肺高血圧(PAH)が疑われて, 確定診断目的に運動負荷右心カテーテル検査を予定している症例を対象としている。3年で150例の患者を予定しており、現在、順調に症例を集めており83例の対象者を組み入れた。うちわけとしては、HFpEFが51例、PAHが12例、非心不全・非PAHのコントロール例が17例、他疾患のための除外例が3例(収縮性心膜炎1例、重症僧帽弁閉鎖不全症が2例)となっていた。除外例の3例を除いた対象集団の特徴としては、平均年齢が73歳で女性が74%を占めていた。HFpEFもPAHも女性が男性よりも多いことが分かっており、これに合致 する所見であった。平均の左室駆出率は66%であり、左室駆出率の低下した症例はいなかった。右心カテーテルで測定した血行動態指標については、安静時の肺動脈楔入圧は平均で13mmmHgで肺動脈平均圧は20mmHgでボーダーラインの肺高血圧を有していた。しかし、エルゴメーター運動によって肺動脈楔入圧は29mmHg, 肺動脈平均圧は42mmHgまで急上昇していた。 各種のバイオマーカーについては目標症例数(150例)の患者を集めてから、ELISA、プロテオミクスの測定を予定しているため、現時点では測定をしていない。すべてのデータがそろった段階で研究目的であるクラスター分析を実施する。現在、サブ解析として複数の解析を実施しており、研究論文を発表した(研究発表を参照ください)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年で150例の患者を予定しており、現在、順調に症例を集めており83例を組み入れているため。150例の患者を集めてから、各種のバイオマーカーのELISA、プロテオミクスの測定を実施し、研究の目的であるクラスター分析を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目については症例の収集をさらに集中する予定である。このために、対象であるHFpEFあるいはPAH患者の候補となる労作時息切れ患者を積極的に診療するようにしている。
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Causes of Carryover |
3年間で150例を集めた後でELISAやプロテオミクスの測定をするため、R5年度で測定するための試薬費用が多くかかると計画しております。
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