2023 Fiscal Year Annual Research Report
近位尿細管上皮細胞の代謝リプログラミングを標的とした心腎連関の病態解明
Project/Area Number |
21K16096
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白川 公亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30626388)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オステオポンチン / マクロファージ / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心不全や心筋梗塞などの循環器疾患の他、腎臓病、糖尿病や肺線維症などのオステオポンチン(OPN)が関与する病態解明研究を実施した。Spp1-EGFP Knock-in reporter マウスを用いた心筋梗塞モデル、ASモデル、高脂肪食肥満モデル、片腎動脈結紮腎線維化モデル及び肺線維化モデルでは、それぞれ臓器特異的なOPN産生細胞が出現して病態を増悪させることを明らかにした。生活習慣病に関連する多臓器の単細胞遺伝子発現解析のデータを統合してマクロファージをはじめとした、細胞特異的な遺伝子発現変動パターンを解析している。生活習慣病に関連する大動脈弁狭窄症の大動脈弁、心筋梗塞後の心臓、肥満患者の内臓脂肪、慢性腎不全の腎臓、肺線維症/肺気腫の肺の統合的単細胞遺伝子発現解析を実施した。マクロファージを中心とした免疫細胞やSpp1発現細胞と各疾患臓器特異的な細胞間相互作用をCellphonedbなどのbioinformatics解析により解析し、Spp1-EGFP Knock-in reporter マウスを用いて心筋梗塞モデル、ASモデル、高脂肪食肥満モデル及び肺線維症モデルの各々の臓器特異的なOPN産生マクロファージの時系列遺伝子発現と、これら多臓器横断的な空間的遺伝子発現解析から得られた治療標的分子を解析した。今後、得られた結果をもとに、尿細管障害やその他生活習慣病に起因する病態に共通する治療標的を同定し、治療開発を目指す。
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