2023 Fiscal Year Annual Research Report
Natriuretic Peptides Induce Thermogenesis and Improve Insulin Resistance
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21K16099
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 悠 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80895003)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / 熱産生 / インスリン抵抗性 / 心臓-脂肪組織連関 / NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
抗心不全ホルモンとして知られるナトリウム利尿ペプチド(Natriuretic Peptide: NP)の新たな役割として、熱産生作用とインスリン抵抗性改善効果に注目し研究を行っている。 インスリン抵抗性に関しては、令和3年度はNPを介した心臓-脂肪連関に着目した。NPは脂肪組織をbrowningさせることで全身のインスリン抵抗性を改善させることを示した。令和4年度は肝臓への影響を検討し、NAFLD(Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)改善作用をもたらすことをin vivoで示し発表した。さらに、同様の高脂肪食負荷マウスモデルを用いて心臓局所におけるNPの影響を検討した結果、あらかじめNP持続投与を行っておいたマウスでは虚血再灌流モデルを含めた心臓インスリン抵抗性が改善することを示した。電子顕微鏡等を用いた検討でも、心筋におけるミトコンドリア機能の改善も示すことができた。令和5年度は、NP活性化薬であるARNIがヒトにおいてもインスリン抵抗性を改善させることを示し、論文発表を行った。さらには、NAFLDに関わる因子としてURAT-1に着目し、URAT-1の阻害薬であるdotinuradが心臓や肝臓におけるインスリン抵抗性を改善させることを示し、論文発表を行った。 温度に関しては、NPが褐色脂肪細胞の活性化により細胞内温度を上昇させることをin vitroで示した。また、in vivoにおいても、NP投与が褐色脂肪組織の活性化ならびに皮下白色脂肪組織のbrowningを介してsystemicな体温保持効果を示すことを報告した。さらには、体温に影響を与える臓器である甲状腺に着目し、in vitroの実験系において甲状腺代謝産物であるT1AMが心筋細胞温度に大きな与え、それがERKを介していることを示し報告した。
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