2021 Fiscal Year Research-status Report
コハク酸-HIF1α経路を介した心不全抑制メカニズムの検討
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21K16101
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
西村 晃一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30724116)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心不全 / SGLT2阻害薬 / 心機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全モデルとしては10~11週齢のC57BL/6雄マウスを用いて27ゲージ針で横行大動脈縮窄術(TAC)を施行しTAC3週後よりイソプロテレノール:3.0mg/kg/dayを浸透圧ポンプで1週間投与するT3Iモデル、そしてSham手術+生理食塩水を浸透圧ポンプ1週間投与するShamモデルの作製を行った。さらにT3Iモデル、ShamモデルにおいてSGLT2I(トホグリフロジン:Toho)投与群はTACまたはSham施行直前より薬剤反復投与を行い(T3I/Toho+およびSham/Toho+)、プラセボ群は5%カルボキシメチルセルロースのみを投与し(T3I/Toho-およびSham/Toho-)、手術4週間経過後のサンプリング直前に血圧、心拍数、そして代謝ケージを用いて尿量、飲水量の測定を行った。心拍数に関してはT3I/Toho+群でSham/Toho-と比較して有意な低下が見られたが、その他は不全心モデルにトホグリフロジン投与ありなしのT3I/Toho+/-の2群間も含めて有意差は認めなかった。また血圧に関しては、いづれの群間でも差は認められなかった。尿量に関してはSham、T3I群いづれにおいても、Toho投与により増加傾向であったが有意差は認めなかった。飲水量についてはSham/Toho-に比してT3I/Toho+/-いづれにおいても飲水量は増加していましたが、T3I/Tohoありなしでは差は認めなかった。小動物用心エコー図検査で評価した左室短縮率、LVFSはT3I/Toho群で改善傾向にあったが有意差は認めず。心筋組織重量/体重比、肺重量/体重比においても両群で差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で、実験モデルの作製はできており、血圧・心機能・心重量。心機能の表現型の評価は行えている。しかし、当研究室の代謝ケージが限られていること、強制経口投与を行う事の手技の習熟に期間を要したこと、また連日強制経口投与を行う事による実験動物への負荷が高かったことによる一定の死亡数があったことが要因として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いたメタボローム解析によりTCA回路の評価、トランスクリプトーム解析により遺伝子転写産物の発現の変化を網羅的に解析する。qRT-PCRにおいても、心不全および線維化マーカーのNppa、Col1/3の発現、血管新生に関わるHIF1-α、VEGFおよび、HIF1-αの分解抑制・安定化に関わるPHDの発現の評価を行う。組織学的評価としてはHE染色にて心筋細胞形態評価、ピクロシリウスレッド染色にて線維化の評価を行う予定をしている。
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Causes of Carryover |
予定いている研究が遅れているため、次年度以降に、次世代シークエン、メタボロームなどの解析を行うため、外注費用として使用を予定している。
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