2021 Fiscal Year Research-status Report
シグナル因子SHHを介した気道上皮におけるCOPD病態形成メカニズムの解析
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21K16109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂金 秀章 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40821880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | COPD / SHH / FGF-10 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、気道上皮特異的Sonic hedgehog(SHH)欠損マウスの作出及び解析を本研究の中核として行った。 本研究に必須であるSHH floxedマウスについては、本年度、他施設のご厚意で譲り受け、本学動物研究施設SPC施設にクリーニングの上搬入した。それとともに当研究室が保有している、Ccspプロモーターを用いたタモキシフェン依存Creタンパク発現マウスとSHH floxedマウスとを掛け合わせ、現在タモキシフェン依存的なCTGF CKOマウス系統を作出、繁殖中である。このマウスでは、タモキシフェンの投与によりCCSP産生肺上皮細胞特異的にSHHの欠損が起こると期待されており、現在Cre発現についてレポーターマウスを用いた検証を行っている。またマウス肺気腫モデルについては、野生型マウスを用いることで、豚膵エラスターゼ投与方法及び用量について検討、系を確立した。今年度に十分量のSHH遺伝子改変マウスが確保出来次第、マウス肺気腫モデルに供し、解析を行う予定である。 またヒト肺における遺伝子発現については、海外研究室の協力を頂き、ヒト肺においてRNA-Scopeを用いたSHH発現の検証を行っている。 今後マウス肺気腫モデルの結果を踏まえてこれらの成果を統合し、CTGFとCOPDの関係を明らかとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とする系統のクリーニング及び繁殖に予想外の時間を要したため、主に動物実験の進捗が遅れた。また本年度も新型コロナウイルス感染症の流行が続き、本学の実験施設の利用、また実験動物や試薬の流通・入手に支障をきたした。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスを用いた予備実験や、動物実験計画の再検討を行いスケジュールを最適化することで、本研究の中核をなす動物実験を遂行できるよう努力する。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れ、購入を予定していた実験動物が譲受により入手できたこと、また本年度の実験は既存の試薬及び設備で行えたことから、次年度使用額が生じた。来年度は本格的な動物実験結果の解析に入り、かなりの支出が予想されるため、それに使用する予定である。
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