2022 Fiscal Year Research-status Report
シグナル因子SHHを介した気道上皮におけるCOPD病態形成メカニズムの解析
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21K16109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
砂金 秀章 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40821880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COPD / SHH |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き気道上皮特異的Sonic hedgehog(SHH)欠損マウスの作出及び解析を本研究の中核として行った。 当研究室が保有している、Ccspプロモーターを用いたタモキシフェン依存Creタンパク発現マウスとSHH floxedマウスとを掛け合わせ、タモキシフェン依存的なCTGF CKOマウス系統を作出し、確立した。このマウスでは、タモキシフェンの投与によりCCSP産生肺上皮細胞特異的にSHHの欠損が起こると期待される。これについて、タモキシフェンを投与し、SHHの発現状況について確認したが、whole lungのqPCRではShh発現の減少は確認できなかった。これについては免疫染色やELISAなどのより高感度な方法での検出を目指していく。 またマウス肺気腫モデルについては、野生型マウスを用いることで、豚膵エラスターゼの投与方法及び用量についての系を確立しており、今後十分量のSHH遺伝子改変マウスが確保出来次第、マウス肺気腫モデルに供し、解析を行う予定である。ヒト肺における遺伝子発現については、海外研究室の協力を頂き、ヒト肺においてRNA-Scopeを用いたSHH発現の検証を行った。ドナー肺においてRNA ISHでShhの発現を確認したところ、Shhは気道上皮で発現があることが確認され、COPDにおけるshhの役割に興味が持たれる結果であった。 In vitro実験においては、ヒト気道上皮由来の培養細胞であるBEAS-2BではShh発現がほとんど見られないことを確認し、クローニングで過剰発現系を確立した。動物実験の進展と併せて解析していく予定である。 今後マウス肺気腫モデルの結果を踏まえてこれらの成果を統合し、SHHとCOPDの関係を明らかとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学内の動物実験施設の移転に伴い、繁殖および実験が中断されたため
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き本実験の中核である動物実験を中心として、研究計画の早期の遂行を目指していく。
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Causes of Carryover |
動物実験の進捗が当初の想定より遅れたため、次年度使用額が生じた。来年度は試薬及びマウスの飼育費用などの支出が増えることが予想されるため、そちらに費消する予定である。
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