2023 Fiscal Year Annual Research Report
CD47-SIRPα結合阻害特殊環状ペプチドによる革新的免疫療法の開発
Project/Area Number |
21K16119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽間 大祐 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30894604)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗体依存性細胞貪食 / 抗SIRPα抗体 / SIRPα結合ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞間シグナルCD47-SIRPα系阻害が、肺癌細胞において免疫チェックポイント阻害剤による抗体依存性細胞貪食(ADCP)を促進するかを評価するために、まずin vitroの実験としてマウス肺がん由来LLC細胞およびCMT167細胞に対するC57BL/6マウスの骨髄由来マクロファージのADCPを評価した。抗マウスSIRPα抗体(MY-1、10μg/ml)群、抗マウスPD-L1抗体(10μg/ml)群、両者の併用群のいずれにおいても、コントロール群と比べて貪食率の上昇は観察されなかった。 in vivoではin vitroと比較して腫瘍細胞表面のPD-L1発現が高まることが報告されており、上記実験でADCPが上昇しない理由としてこれを挙げた。そこで、LLCおよびCMT167をPD-L1の制御因子であるIFNγの存在下に培養した。IFNγ濃度(10ng/ml、100ng/ml)および培養時間(48時間、72時間)の条件下に培養したところ、LLC、CMT167のいずれの条件でも細胞表面のPD-L1発現の上昇が認められた。 最もPD-L1発現が促進された条件(IFNγ:100ng/ml、72時間培養)でLLCを培養し、同様にADCPを確認したところ、MY-1(10μg/ml)と抗マウスPD-L1抗体(10μg/ml)の併用群にて、それぞれの単独投与と比較して統計学的に有意な貪食率の上昇を認めた。 腫瘍マウスモデルにおける治療スケジュールを設定するため、LLCおよびCMT167をC57BL/6マウスに皮下移植して腫瘍の自然経過を計測したところ、LLCは移植後7-8日、CMT 167は移植後6-7日で治療開始の目標体積とした100mm3程度に達することが確認された。MY-1を産生するハイブリドーマを濃縮培養し、得られた上清をCBB染色することで純度と収量を確認した。現在精製中である。
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