2022 Fiscal Year Annual Research Report
肺気腫合併肺高血圧ラットモデルを用いた低酸素誘導性血管新生蛋白の定量解析
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21K16138
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
和田 洋典 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (80848739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / 肺気腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)受容体阻害薬(SU5416)の投与、及び慢性低酸素曝露による肺気腫と肺高血圧(PH)を発症するラットモデルを作製し、肺ホモジネート、血清における低酸素誘導性血管新生蛋白の定量解析を進めている。本年度はラットの飼育を行い、SU5416/低酸素曝露群は対照群と比較して平均肺動脈圧は高値、肺気腫の程度を表すmean linear intercept (MLI)も高値、Heath Edwards分類でgrade 1~2(中膜肥大~内膜増殖)の肺動脈病変を認め、叢状病変はみられず、ヒトにおける肺気腫に伴う肺高血圧症に類似していると考えられた。本ラットモデルへの肺血管拡張薬の投与効果を検証するため、肺血管拡張薬の作用増強が期待されるホーミングペプチド(CAR)の併用効果を検証した。雄のSprague-DawleyラットをSU5416・ホーミングペプチド投与群、シルデナフィル投与群、SU5416投与群、対照群に分けて6週間低酸素環境下で飼育した。 SU5416・ホーミングペプチド投与群はSU5416投与群と比較して肺動脈圧の低下を認めた。 SU5416・ホーミングペプチド投与群はSU5416投与群と比較して、肺ホモジネートを用いたWestern blotにおけるcleaved-caspase3の優位な蛋白発現低下を認めた。今後は本ラットモデルにおける気腔開大・PH形成に関わる各サイトカイン・ケモカインの発現について解析を進める予定である。
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