2021 Fiscal Year Annual Research Report
空間的トランスクリプトーム解析を用いた特発性肺線維症病態形成の解明
Project/Area Number |
21K16149
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
門田 宰 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30724091)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 空間トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症(IPF)の病因・病態解明は十分でなく,かつ生命予後を改善する有効な治療法は確立されていない.肺線維化進展において,軽い病変から進行した線維化まで時間的,空間的に不均一な線維化病変の混在がIPFの病理組織学的な特徴である.この不均一性が,この難治性線維化進展機序解明の手がかりとなる可能性がある.本研究では,single-cell transcriptomic analysis (scRNA)に加え,病理組織の空間的な位置関係を保持したまま網羅的な解析が可能な空間トランスクリプトーム解析を行うことで,IPF病態進展に関与しうる機能的細胞集団の局在を明らかにするとともに,線維化の不均一性の分子機構を明らかにすることが目的である. 初年度は,IPF患者肺組織3名と非IPF患者肺組織3名についてscRNA解析を実施した.また,IPF患者肺組織3名の9切片について,空間トランスクリプトーム解析を行った.scRNA-seqでは,合計29872個の細胞をプロファイリングし,平均読み取り数は97207個/細胞であった.空間トランスクリプトーム解析では,合計21523スポットを解析し,平均リード数は148284リード/スポットであった.正常肺と比較して,IPF肺組織では特徴的な細胞分布がscRNA-seqによって示された.単一細胞のトランスクリプトームと空間的トランスクリプトーム解析を組み合わせることにより,線維芽細胞巣内の細胞の不均一性が認められた.
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Remarks |
海外留学に伴い中断
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