2022 Fiscal Year Research-status Report
上葉優位型肺線維症の新規バイオマーカーとしての血清LTBP-4の意義
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21K16153
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
木下 義晃 福岡大学, 医学部, 講師 (30882625)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性上葉優位型肺線維症 / 血清バイオマーカー / LTBP-4 |
Outline of Annual Research Achievements |
血清latent transforming growth factor-β binding protein 4 (LTBP-4) が上葉優位型肺線維 (PPFE)の新規バイオマーカーとして有用性であるかを検討する上で、LTBP-4値と臨床的パラメータあるいは予後との関連を解析することは不可欠である。 これまでPPFE患者の身体的特徴のひとつとして痩せ型であることが知られていた。我々はPPFE患者63名を解析し、経時的な体重減少はPPFEの疾患進行と相関があることを見出し論文として発表した(Yoshiaki Kinoshita et al. Respir. Med and Res 2022;83:100980.)。またPPFE患者に特徴的な高炭酸ガス血症と予後の関係はこれまで調べられていない。我々はPPFE患者47人を解析し、血液ガス分析におけるCO2濃度はPPFE患者の予後不良因子であることを見出し論文として発表した (Yoshiaki Kinoshita, et al. Partial pressure of carbon dioxide levels reflect disease severity in idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis. Respir. Invest. In Press)。これらの新知見と血清LTBP-4値との関連を示すことができれば、LTBP-4の臨床的な価値を高めることにつながり重要と考えている。今後、前向き国内コホートで集積されたPPFE患者の血清を用いてLTBP-4値を計測し、これらの指標との関連を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在PPFE患者の血清サンブルの集積が終了し、既に約200例と過去に類のない数のサンプルが集積できている。昨年度から血清LTBP-4の測定を開始しており、本年度中に結果をまとめ学会での報告及び論文作成に着手する予定である。現在目標数の血清を集積し終え、実際にLTBP-4値の測定も進行中である。上記は順調に研究が発展していることを意味する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中にLTBP-4の測定を終了する予定である。その後、臨床データや予後データとLTBP-4値の関連に関して検討する予定である。また得られた結果を国内外の学会で報告する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の蔓延により、予定していた国内学会での発表に伴う出張費が予想を下回った。また円高によるELISAキットの輸入費の高騰のため、単年の研究資金ではELISAキットの購入ができなかった。発生した研究費の未使用額に関しては、次年度の学会発表費用とELISAキットの購入に充てることとしたい。
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Research Products
(5 results)