2023 Fiscal Year Research-status Report
上葉優位型肺線維症の新規バイオマーカーとしての血清LTBP-4の意義
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21K16153
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
木下 義晃 福岡大学, 医学部, 講師 (30882625)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性上葉優位型肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、上葉優位型肺線維(PPFE)患者の血清サンプルの集積が終了しており、既に約200例の血清を集積した。令和5年度、これらの血清を用いてlatent transforming growth factor-β binding protein 4(LTBP-4)を測定した。その結果、血清LTBP-4はPPFEの診断に有用なバイオマーカーであることが判明した。この成果の一部は、第3回日本びまん性肺疾患研究会(2023年9月30日、東京)で報告した。またLTBP-4の臨床的意義を理解するために、LTBP-4値と臨床パラメータとの関連を調査することが不可欠である。PPFE患者の呼吸生理学的特徴として、残気率が上昇することは以前から知られていたが、その機序は明らかにされていなかった。我々は57名のPPFE患者を解析し、PPFE患者の残気率上昇は胸郭の扁平化が原因であり、残気率はPPFEの疾患進行の指標であることを見出した(Kinoshita et al. Platythorax increases residual volume/total lung capacity in idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis)。今後得られる、残気率のデータと血清LTBP-4値との関連を示すことは、LTBP-4の臨床的価値を高めるために重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に既に集積した血清を用いたLTBP-4の測定を終え、血清LTBP-4がPPFEの診断に有用であることを国内学会にて報告した。令和6年度中にその結果をまとめて論文として発表する予定である。上記は順調に研究が発展していることを意味する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前向き国内コホートで集積されたPPFE患者の臨床情報を収集し、血清LTBP-4値との関連を明らかにする。その後、得られた成果を国内外の学会で発表し、論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の蔓延により、予定していた国内学会での発表に伴う出張費が予想を下回った。発生した研究費の未使用額に関しては、令和6年度の学会発表費用と論文作成費に充てることとしたい。
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