2021 Fiscal Year Annual Research Report
NAD代謝による組織因子制御と慢性腎臓病血栓症の予防法開発
Project/Area Number |
21K16156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大江 佑治 東北大学, 大学病院, 助教 (00791980)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 血栓症 / NAD代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)で,インドキシル硫酸をはじめとした尿毒素が凝固組織因子を活性化し,血栓症リスクを悪化させる機序が明らかにされたが,その予防法の開発が遅れている.ATPエネルギー産生の補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と抗老化因子Sirtuinは様々な生命現象を制御し,CKDの進行や合併症を抑制することが報告されている.本研究は,NAD+-Sirtuin経路の活性化がCKD血栓症予防に有効か明らかにすることを目的とし, 1) NAD+前駆体(NAM, NMN)による治療がCKDモデルマウスの組織因子活性や血栓形成を抑制するか,2) その機序としてSirtuin1が関与するか検証する.NAD+代謝の活性化というこれまでにない新しいアプローチで,腎不全でも安全に使用可能な血栓症予防法を開発し,CKD患者の予後・QOLを改善する治療基盤を構築する. 本年度は研究初年度にあたり,研究計画に沿って慢性腎臓病モデル(アデニン腎症マウス)を作出した.0.2%アデニン食を2週間投与後に解剖した.血液や尿,腎組織などのサンプルを回収した.血液サンプルを用いてBUNなどの腎機能を評価した.血漿第Xa因子活性を測定した.今後NAM,NMNを投与し,血液凝固活性や腎障害に与える影響を評価する予定である.申請者の海外渡航のため研究を中断した.
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