2021 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling the role of ER-mitochondria crosstalk in the pathogenesis of diabetic kidney disease
Project/Area Number |
21K16159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 頌 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30892658)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / ミトコンドリア / 糖尿病腎症 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は過去の実験データ (Hasegawa S, et al. Kidney International 2020) から、糖尿病腎症では小胞体ストレスとミトコンドリア負荷が同時に生じることを見出し、その相互作用に着目した解析を行っている。 2021年度は糸球体足細胞 (ポドサイト) 特異的に小胞体ストレスセンサーをノックアウトしたマウス (KO) を用いて実験を行った。対照群として同腹のWTマウスを用いた。 まず、これらのマウスにストレプトゾトシンを腹腔内投与し、血糖・中性脂肪・コレステロール・体重推移が同程度の糖尿病を誘導することに成功した。その上で、腎症が顕在化する前の段階にある腎臓から糸球体を単離してプロテオーム解析を行った。その結果、WTマウスでは糖尿病によって糸球体障害に深く関与するタンパク質の発現が増加していたが、KOマウスでは全く増加していなかった。そのため、糖尿病環境に曝されたポドサイトにおける当該タンパク質の増加に小胞体ストレスセンサーが関与していることが分かった。 その分子機序を検討するため、ポドサイトの培養細胞を用いた実験を行った。まず、培養細胞に小胞体ストレスを惹起すると当該タンパク質をコードする遺伝子発現が増加することを確認した。さらに、小胞体ストレスセンサーの阻害剤を培地に加えることでその発現増加が抑制されることも明らかとなった。 また、これらの研究内容に関連して、糖尿病腎症におけるオルガネラストレスとエネルギー代謝についての総説を執筆した (Hasegawa S, et al. Current Diabetes Reports 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病腎症の病態における小胞体ストレスセンサーの役割を解明する手がかりとなる結果を既に得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験で、糖尿病に曝された糸球体における特定のタンパク質の発現増加に小胞体ストレスセンサーが関与することが明らかとなった。次年度は別モデルの動物実験を行いつつ、培養細胞を用いた実験を追加することで詳細な分子機序の解明を目指していく。
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[Journal Article] Activation of Sympathetic Signaling in Macrophages Blocks Systemic Inflammation and Protects against Renal Ischemia-Reperfusion Injury2021
Author(s)
Hasegawa S, Inoue T, Nakamura Y, Fukaya D, Uni R, Wu CH, Fujii R, Peerapanyasut W, Taguchi A, Kohro T, Yamada S, Katagiri M, Ko T, Nomura S, Nakanishi Ozeki A, Susaki EA, Ueda HR, Akimitsu N, Wada Y, Komuro I, Nangaku M, Inagi R
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Journal Title
Journal of the American Society of Nephrology
Volume: 32
Pages: 1599~1615
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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