2022 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling the role of ER-mitochondria crosstalk in the pathogenesis of diabetic kidney disease
Project/Area Number |
21K16159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 頌 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30892658)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は過去の実験データ (Hasegawa S, et al. Kidney International 2020) から、糖尿病腎症では小胞体ストレスとミトコンドリア負荷が同時に生じることを見出し、その相互作用に着目した解析を行っている。 2022年度は小胞体とミトコンドリア/エンドソーム連関のキーとなる分子を糸球体足細胞(ポドサイト)特異的にノックアウト(KO)したマウスに高脂肪食負荷を与えて肥満関連腎症モデルを作製し、病態解析を行った。 肥満関連腎症モデルの腎臓の電子顕微鏡写真では、WTのポドサイトには成熟したエンドソームが多数認められる一方で、KOのポドサイトには壁が薄くて未成熟なエンドソームが観察され、これはエンドソームのクオリティコントロールが破綻していることを示唆する所見であった。 これらの腎臓から糸球体単離を行った上で、プロテオーム解析を行った。高脂肪食負荷を加えたWTとKOの糸球体で有意に変動するタンパク質を抽出してエンリッチメント解析を行ったところ、ミトコンドリアやエンドソーム恒常性に関わるタンパク質が濃縮されていた。 特に、脂質エネルギー代謝に直接関わるタンパク質は高脂肪食負荷で増加するが、KOの糸球体ではその増加が抑えられており、ミトコンドリア代謝が適切に保てなくなっていることが示唆された。また、エンドソーム機能に関わるタンパク質はWTと比べてKOで有意に多くなっており、電子顕微鏡で観察されたエンドソーム異常への代償的な反応と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎臓におけるオルガネラ連関の役割を解明する手がかりとなる結果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験で腎臓におけるオルガネラ連関の果たす役割が明らかになりつつある。 今後は培養細胞を用いた実験を追加し、より詳細な機序を解明することを目指す。
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Research Products
(11 results)