2023 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling the role of ER-mitochondria crosstalk in the pathogenesis of diabetic kidney disease
Project/Area Number |
21K16159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 頌 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30892658)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エンドソーム / 小胞体 / ミトコンドリア / プロテオミクス / リピドミクス / 肥満関連腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓病の進行過程において、糸球体足細胞(ポドサイト)には様々なオルガネラストレスが同時に生じているが、オルガネラ同士の連携についての検討は不十分である。小胞体膜に存在するPDZ domain-containing 8 (Pdzd8) は複数のオルガネラ繋留を担うことが報告されている。本研究では、ポドサイト特異的にPdzd8を欠失させたマウスを用いて、ポドサイト障害におけるオルガネラ連関の役割を解明することを目的とした。 まず、Pdzd8をポドサイト特異的にノックアウトしたマウスに肥満関連腎症モデルを作製し、病態解析を行った。ポドサイトでのPdzd8欠失は肥満関連腎症モデルでの尿中アルブミンを増加させ、ポドサイト内に脂肪分に満ちた異常エンドソームの蓄積を招いた。単離糸球体のプロテオーム解析では、Pdzd8欠失によってミトコンドリア・エンドソーム恒常性に関わるタンパク質が有意に変動することが示された。 これらの機序を調べるため、培養ポドサイト細胞を用いた実験を行った。培養ポドサイト細胞では、Pdzd8ノックダウンによってミトコンドリア機能が低下し、小胞体とミトコンドリアの接触が減少していた。さらに動物実験と似た異常エンドソームの蓄積も確認された。リピドーム解析では、Pdzd8ノックダウンによってポドサイト内にグルコシルセラミドの蓄積が認められ、異常エンドソーム蓄積との関連が示唆された。 これらの結果から、Pdzd8を介したオルガネラ連関は脂肪毒性にさらされたポドサイトの恒常性維持に働くことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの実験で腎臓におけるオルガネラ連関の果たす役割が明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果を確認するための細かい実験を追加し、論文化する。
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Causes of Carryover |
論文化に際し、これまでの結果をさらに掘り下げるためのデータを取得するため。
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Research Products
(5 results)