2021 Fiscal Year Research-status Report
The role of renal and urethral flora and related peptides in renal fibrosis
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21K16160
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西濱 康太 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90832527)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎線維化 / 細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓由来の細胞株であるPodocyteやCaki-2細胞に対して既知のアポトーシス誘導物質であるTGF-βに加えて細菌叢由来ペプチドであるcorisinを用いてアポトーシスの誘導を試みた。corisin単独でアポトーシスが誘導される場合とTGF-βとcorisinの共刺激でアポトーシスが誘導される場合があったが、corisinが腎臓由来の細胞のアポトーシスの誘導に関与していることが確認された。また、TGF-βの過剰発現マウスにおける肺線維症の進行をcorisinに対するモノクローナル抗体が抑制することを示すことができた。これはcorisinが同様の機序を介して腎線維化の抑制の治療標的になりうることを示すと考えられる。また、抗アポトーシス作用を介して腎線維化に保護的に作用すると考えられるトロンボモジュリンが、腎線維化の大きな原因の一つである糖尿病の発症抑制に膵β細胞のアポトーシスの抑制を介して関与していることも示すことができた。現在、腎特異的TGF-β過剰発現マウスに対するcorisinの投与による腎線維症の進行に関するin vivo実験を実施中である。 さらに、今年度中には、実際の患者においてcorisinと腎障害の関連の有無を確認するための研究を開始することができたため、corisinと腎線維化の関連の探索を目的としたin vitro実験およびin vivo実験の結果を、実際に臨床に応用する際に課題となりうる事項の抽出や、どのようなヒト生体環境下でcorisinが腎線維化を促進するかについての探索も可能になる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたin vitro実験を遂行することができ、in vivo実験の準備も進んでいる。また、抗corisin抗体が臓器の線維化を抑制しうる結果を示すことができ、抗corisin抗体が腎線維化に抑制的に働くことを示す実験の準備も進めることができている。これらの理由より、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験ではcorisinが各種細胞のアポトーシスを介して腎線維化の進行に関与している可能性を示すことができた、次の段階として、in vivo実験でもcorisinの投与によって腎線維化が進行することを明らかとすることを試みる。さらにcorisinに対する抗体療法が腎線維化を抑制することを示し、corisinが腎線維化の抑制のための治療標的となりうることを示すことを目指す予定である。
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