2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎臓病における腎エネルギー代謝の病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
21K16166
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小豆島 健護 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00760381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎臓病 / 脂肪酸酸化 / レニン・アンジオテンシン系 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病の発症・進展に関わる新規機序の一つとして,腎臓におけるエネルギー代謝障害,特に脂肪酸酸化(Fatty Acid Oxidation; FAO)障害が重要な役割を担っていることが明らかになってきたが,糖尿病性腎臓病(Diabetic Kidney Disease; DKD)における腎エネルギー代謝の意義を検討した報告は少ない.本研究は申請者が開発した進行性DKDマウス(129/Sv-Akita-ReninTG)を用いて,DKDの発症・進展において腎エネルギー代謝障害,特にFAO障害がどのように関わっているかを解明することを目的に行われた.
進行性DKDマウス,および野生型対照マウス(129/Svマウス)を24週齢の時点で代謝ケージを用いた蓄尿後に解剖した.また,12週齢の進行性DKDマウスにARB(ロサルタン)を12週間投与し,畜尿後に解剖した.メタボローム解析を用いて腎臓におけるエネルギー代謝変化をミトコンドリアFAOに焦点を当てて評価するとともに,qPCR法を用いてFAO関連遺伝子発現の解析を行った.
対照マウスと比較して,進行性DKDマウスの腎臓では,ミトコンドリアにおけるFAO機能を反映している可能性がある偶数鎖アシルカルニチンの幅広い減少が見られるとともに,FAO関連遺伝子のmRNA発現が有意に変化していた.これらの変化は,ARBの投与により抑制された.本研究結果は,他の慢性腎臓病の病態生理と同様に,FAO障害に起因する腎エネルギー代謝の変化がDKDの進展に関連していることを示唆している.腎エネルギー代謝,特にFAOへの介入はDKDのの新規治療候補となり得るため,今後さらなる研究が必要である.
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