2023 Fiscal Year Annual Research Report
Renal sodium handling and blood pressure control by neprilysin and angiotensin converting enzyme
Project/Area Number |
21K16168
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
江里口 雅裕 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40572102)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネプリライシン / アンジオテンシン変換酵素 / 腎臓内アンジオテンシンII濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はBNPおよびAngiotensin IIのプロテアーゼであるNEP KOマウス、腎臓内ACEをKOしたrenal-ACE KOマウス(ACE10マウス)とNEP/renal-ACE double-KOマウスを使用して、NEP阻害とレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害の併用の有用性を食塩感受性モデルにて検討している。 RAS(Angiotensin II)が抑制される食塩感受性モデルであるL-NAMEによるNO阻害モデルマウス(Angiotensin II非依存型食塩感受性モデル)においてはrenal-ACE KOマウス、NEP KOマウス、NEP/renal-ACE double-KOマウスにおいて血圧に有意な差を見出せなかったが、Angiotensin IIの低用量持続注射モデルであるRAS亢進型の食塩感受性モデルマウス(Angiotensin II依存型食塩感受性モデル)ではAngiotensin II持続注射後よりNEP KOマウスは血圧が有意に上昇したが、高食塩負荷(4%高食塩食)に対しては耐性が認められた。一方renal-ACE KOマウスにおいては低用量Angiotensinn II持続注射に対して血圧上昇は認められなかったが、高食塩負荷(4%高食塩食)開始後より血圧は有意に上昇した。NEP/renal-ACE double-KOマウスはrenal-ACE KOおよびNEP KOマウスに比べて優位に血圧上昇が抑えられていた。腎臓内Angiotensin II濃度はNEP KOマウスでは上昇していたのに対し、renal-ACE KOおよびNEP/renal-ACE KOでは腎臓内Angiotensin II濃度の上昇が抑えられていた。 NEP阻害による血中および腎臓内AngiotensinII濃度の上昇をRAS阻害により抑制することで食塩感受性モデルに対して相補的な降圧効果があることが示された。
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