2023 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植患者における血清アディポネクチンおよびエクソソームと血管石灰化との関連
Project/Area Number |
21K16175
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
野村 佳苗 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60835875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アディポネクチン / エクソソーム / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アディポネクチンは抗動脈硬化,抗糖尿病作用などを有する。近年,アディポネクチンが血管内皮細胞を含め遠隔細胞に作用してエクソソーム産生を起こす事が 明らかになってきた。本研究では,分子量の異なるアディポネクチンおよびエクソソームが動脈硬化形成に果たす役割を腎不全症例および腎移植患者による臨床 データと細胞実験を用いて明らかにする計画である。 本年度は、臨床データの解析を完了させるとともに、細胞研究を中心に研究を進めた。細胞実験では、これまで再現性が悪かったAdipoR2に対するアゴニストであるAdipoRon 刺激によるエクソソーム解析の条件を確定し、解析を行った。エクソソームの分離回収及び解析は、アフィニティーメンブレンを用いたスピンカラムによりRNAをダイレクトに精製し、miRNAの解析を行った。既存の報告などを参考に、関連が推測される9種類のmiRNAを評価したところ、今回の刺激条件では、刺激45時間後に126-5p、150-5p、200-3p、21-5pが2倍以上に増加していることが確認された(それぞれ、4.86,2.32,2.74,4.92倍)。 28 例(女性61%)の腹部単純CTより動脈硬化の動脈硬化病変と大動脈の体積を3次元的な経時的な解析(観察期間は,中央値858日)では、大動脈体積に占める動脈硬化病変の体積の割合1年当たり中央値で0.7%であった(大動脈体積に占める動脈硬化病変の体積の割合は観察開始時で中央値は7.0%)。 また,アディポネクチンの測定では,高分子,中分子および低分子アディポネクチンは,初回中央値でそれぞれ,45.1, 18.5, 35.8%であり,年率の変化は, それぞれ1.5, 0.6, -1.3%であった。
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