2023 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボモジュリンによる進行期の糖尿病性腎症の抑制
Project/Area Number |
21K16185
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹下 敦郎 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10830490)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒト組換えトロンボモジュリン / 糖尿病性腎臓病 / 腎線維症 / 肺線維症 / 細菌由来ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト組換えトロンボモジュリン(rhTM)は抗凝固薬として臨床使用されており、本邦では播種性血管内凝固症候群の治療薬として認可されているが、近年はその抗アポトーシス作用、抗炎症作用が注目されている。我々は以前、rhTMが腎ポドサイト特異的ヒトTGFβ1過剰発現マウス(腎線維症モデル)に対して腎保護作用を有することを報告した。本研究の目的は、糖尿病性腎臓病(DKD)に対するトロンボモジュリン(TM)の腎保護作用を評価し、関連する機序を明らかにするものである。 まず、ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病に対するrhTMの影響を評価した。rhTMは膵β細胞に対する抗アポトーシス作用および、膵への抗炎症作用を通じてSTZによる耐糖能低下を抑制し、糖尿病の病態を改善する可能性が示された。次にDKDモデルマウスの作成のため、同腎線維症マウスに対してSTZにより糖尿病を誘導した。STZを投与された腎線維症マウスは、STZを投与しない腎線維症マウスと比較して、より高度な腎線維化および腎機能低下を認めることを報告した。 次に、TMの活性に影響を与える因子について検討を行った。血管内皮細胞株HUVECを用いた実験において、細菌由来ペプチドcorisinがTM活性を低下させ、組織因子活性を上昇させることが明らかとなった。今後は作成したDKDモデルマウスを用い、TMがDKDの病態に与える影響とその機序について、細菌由来ペプチドが有するTM活性低下作用および凝固系活性化作用との関連も合わせて検討を進めたい。
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[Presentation] Rapidly progressive kidney fibrosis in podocyte specific human TGF-β1 transgenic mice with diabetes2024
Author(s)
Atsuro Takeshita, Taro Yasuma, Suphachai Tharavecharak, Valeria D’Alesandro Fridman, Maya Kato, Chisa Inoue, Yuko Okano, Kota Nishihama, Masaaki Toda, Corina N. D'Allesandro-Gabazza, Yutaka Yano2, Esteban C. Gabazza
Organizer
第52回日本免疫学会
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