2021 Fiscal Year Research-status Report
腎糸球体でのナトリウム利尿ペプチド受容体とp38 MAPKの関連性
Project/Area Number |
21K16188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 博之 京都大学, 医学研究科, 助教 (70713650)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポドサイト / 内皮障害 / p38 MAPK |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓は、体内で産生された老廃物を尿に捨てる臓器として知られている。腎臓の中で、尿の元となる原尿を作成しているのは糸球体であり、その糸球体の構成細胞である糸球体足細胞(ポドサイト)が、人体に必要不可欠なタンパク質の最終濾過障壁として働いている。そのため、ポドサイトが障害を受けると、タンパク質は尿へと漏れて、それが尿タンパクとして顕在化し、さらにポドサイト障害が進行すると慢性腎不全へと導いていく。 そこで、筆者たちはポドサイト障害に関連する因子としてp38 mitogen-activated protein kinase (p38 MAPK)に着目した。p38 MAPKは、炎症性サイトカインや、紫外線照射などの環境ストレスによって活性化されるセリン/スレオニンキナーゼの一種として知られている。実際、ヒトのポドサイトでも、p38 MAPKが発現していることは確認されている。 加えて本研究では、心不全の治療薬として使用されているナトリウム利尿ペプチドの受容体であるグアニリルシクラーゼーAノックアウトマウスと、p38 MAPKノックアウトマウスを交配させて、アルドステロン負荷の腎障害を惹起させると、ポドサイト障害だけでなく糸球体内での内皮細胞障害も起こすことが確認された。 この障害により、内皮細胞とポドサイト間での障害機構がより明らかになる可能性があり、今後培養系でのp38 MAPK ノックアウトポドサイトを樹立し、共培養や薬剤投与などを行うことでさらに検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウト細胞株の樹立など問題なく遂行できており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画どおりの研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症などにより、学会発表がオンライン発表となったため、旅費などの使用が不要になったことが主因と考えられる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Intestinal Bacterial Translocation Contributes to Diabetic Kidney Disease.2022
Author(s)
Hoang Linh, Yasunori Iwata, Yusuke Nakade, Megumi Oshima,Shiori Yoneda-Nakagawa, Hisayuki Ogura, Koichi Sato, Taichiro Minami, Shinji Kitajima, Tadashi Toyama,Yuta Yamamura, Taro Miyakawa, Akinori Hara, Miho Shimizu, Kengo Furuichi, Norihiko Sakai, Hiroyuki Yamada, Katsuhiko Asanuma, Kouji Matsushima, Takashi Wada
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Journal Title
Journal of the American Society of Nephrology
Volume: 9
Pages: ASN 202160843
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Suppressor of cytokine signalling 3 (SOCS3) expressed in podocytes attenuates glomerulonephritis and suppresses autoantibody production in an imiquimod-induced lupus model2021
Author(s)
Masashi Fukuta, Kotaro Suzuk , Shotaro Kojima, Yoko Yab , Kazumasa Suzuki, Kazuma Iida, Hiroyuki Yamada, Shinichi Makino, Arifumi Iwata, Shigeru Tanaka, Taro Iwamoto, Akira Suto, Daiki Nakagom , Hidefumi Wakashin, Yuko Maezawa, Yoshiro Maezawa, Minoru Takemoto, Katsuhiko Asanuma, Hiroshi Nakajima
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Journal Title
Lupus Science & Medicine
Volume: 8
Pages: e000426
DOI
Peer Reviewed
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