2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of a novel drug resistance mechanism in melanoma cells
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21K16213
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大平 崇人 鳥取大学, 医学部, 助教 (60757665)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メラノーマ / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで研究実施者はPITX1が、SOX9の発現上昇を介してメラノーマのがんドライバー遺伝子として知られているSOX10の発現を顕著に抑制し、抗腫瘍効果(増殖抑制, 細胞死/アポトーシス)を誘導することを明らかにしてきた。一方、PITX1の発現誘導を作用機序とした抗がん剤の臨床への応用例はなく、研究開発の余地が残されている。本年度は、①in vivoにおけるPITX1/SOX9経路の抗がん効果の検討と②PITX1発現誘導低分子化合物の同定について研究を実施した。 ①について、ヌードマウスの皮下にPITX1を発現誘導したA2058細胞とコントロールのA2058細胞を移植し、約1か月間経過観察を行い、腫瘍細胞の増殖率を解析した。その結果、コントロール群に比べてPITX1発現誘導群において、優位に腫瘍体積が減少することが示された。 ②について、キナーゼ阻害薬として効果をもつソラフィニブおよびレゴラフェニブはPITX1発現を誘導する薬剤として報告されており、ソラフィニブおよびレゴラフェニブによるPITX1-SOX10経路の惹起が、メラノーマにおける新規抗がん剤として抗腫瘍効果を発揮するか否かを検討した。その結果、メラノーマ細胞株A2058およびSKMEL28を用いてソラフェニブおよびレゴラフェニブ10μMで48時間処理すると細胞死が誘導された。加えて、PITX1-SOX10経路への関連性を検討するために薬剤処理15時間後の細胞からタンパクを回収し、PITX1およびSOX10の発現動態を解析した。その結果, PITX1の発現上昇に伴って、SOX10の発現低下が誘導されていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoにおいても、PITX1による腫瘍抑制効果がある程度認められたことに加えて、PITX1の発現を誘導可能な低分子化合物について、有望な候補が決定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍モデルマウスを用いたPITX1による制がん効果について、SOX9とSOX10の発現動態解析を加えて、さらに詳細なデータを取得する。また、PITX1の発現を誘導する低分子化合物について、抗腫瘍効果の有無を検討する。さらに、臨床組織におけるPITX1/SOX9/SXO10発現動態解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額が異なった。しかし、その差額は大きくなく、研究計画は変更せず、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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