2023 Fiscal Year Annual Research Report
免疫監視機構に注目した術後補助療法における再発予防のメカニズム解析
Project/Area Number |
21K16224
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 謙太 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (90804170)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 術後補助療法 / レパトア / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫の術後再発が予後不良の原因となっており、2018年より術後補助療法(術後12か月間の免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体))が開始された。これにより、約4割あった再発が約3割に減少した。今回、さらなる再発リスクの軽減のため、再発を予測する因子を解析した。 術後の再発抑制メカニズムとして、免疫監視機構があげられる。これは、循環腫瘍細胞や微小転移の腫瘍細胞が発現する腫瘍抗原を認識するT細胞クローンの関与が考えられている。進行期悪性黒色腫では、免疫チェックポイント阻害薬の投与後、腫瘍浸潤T細胞のクローン性の増殖がみられた症例が、治療効果がよいことが報告されている。 そこで、術後補助療法を行った症例で、末梢血単核球:Peripheral Blood Mononuclear Cells (PBMC)を回収し、T細胞レパトア解析(T細胞受容体多様性解析)でT細胞のクローン増殖を測定した。 最終年度に、解析症例を23例まで増やした。術後補助療法で再発がみられた症例(9例)では、T細胞のクローン増殖は治療後に減少しているが、再発がみられなかった症例(6例)では、有意にT細胞のクローン増殖が治療後に増加した。なお、この末梢血で増加したT細胞クローンは、切除した腫瘍検体に浸潤するT細胞のクローンと同じであり、腫瘍を認識するクローンと考えられた。また、再発がみられなかった症例は、進行期悪性黒色腫で抗PD-1抗体療法により2年以上の長期に腫瘍縮小がみられた6例(対比として進行例3例)のT細胞クローン増殖と同程度の増殖がみられており、このクローン増殖が再発予防に関与した可能性が示唆された。現在、有意に変化した遺伝子群の関連を解析中である。また、血中のサイトカインやケモカインを網羅的に解析したが、有意な変化は得られなかった。現在、解析中の症例を合わせて、今後、論文発表を行う予定である。
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