2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of lymphoid follicle structures in the skin as ectopic lymphoid tissues, iSALT
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21K16227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小亀 敏明 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00744111)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 皮膚局所免疫 / 三次リンパ濾胞様構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚に三次リンパ組織であるiSALTが存在するか、を検討する目的に対して、当初の計画通り、リンパ濾胞構造を有する疾患群の中で木村病、偽リンパ腫の未固定標本を得、これらを酵素処理し単細胞懸濁液を作成した。controlのリンパ節の未固定標本も入手した。現在これらのsingle cell RNA sequenceの準備中である。またiSALTが三次リンパ濾胞構造としての機能を持ちうるかの検討に関しては、発現する因子、iSALTの構成する細胞の同定から、ある程度機能類推することが可能であるため、当初の予定に変更を加え、免疫染色で確認していく実験を並行して実施し、他の組織に形成される三次リンパ組織を参考に存在が予想される細胞や機能を示唆する因子を、iSALT内に同定してく方針とした。iSALTの特徴を持つ皮膚疾患のうち深在性ループス、偽リンパ腫、皮膚線維腫を用いて、iSALTの特徴を有するかどうかを検討した。その結果、他の組織におけるTLSと同様の所見を以下の通りに認めた。濾胞内にB細胞T細胞領域、T細胞領域にはfollicular dendritic cellの分布、胚中心の形成を確認した。拝中心に一致して Activation-induced cytidine deaminase(AID)の発現を認め、各分化段階のB細胞(ナイーブB細胞、活性化B細胞、plasmablast、形質細胞)が存在することを確認した。上記3疾患に関してiSALTが存在うることを病理学的に示し現在論文査読中である。さらに皮膚原発性形質細胞増多症でも、前記3疾患と同様の所見を得ている。形質細胞はリンパ節で分化し、骨髄へ移動するのみであるという既存の概念では説明のつかなかった、皮膚において多数見られる形質細胞の存在に関して、iSALTという概念をもって説明が可能であること提示する論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他の三次リンパ濾胞構造を参照し免疫染色の技法を用いることで、皮膚のリンパ濾胞構造がiSALTである可能性を示した論文は既に投稿済みである。更に形質細胞増多症でも同様のiSALTが関わっていることを示す論文作成がかなり進んでいる。また、iSALTの概念に関しても過去の発表をまとめて総説として発表済みである(Kogame T. et al. Front Immunol . 2021 Aug 26;12:733484.)。
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Strategy for Future Research Activity |
iSALTの構成細胞のスクリーニング法であるsingle cell RNA sequence(scRNAsec)でのコントロールとしてのリンパ節の可能性を検討する。Web上のリポジトリに存在する既存データセットでも解析可能か検討している。もし、既存のデータセットで解析可能となるが不可能であれば新規にリンパ節も用意して検討する。リンパ節が不要な場合は、iSALTをもつ複数の皮膚疾患標本をscRNAsecで解析を行う。
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Causes of Carryover |
single cell RNA sequenceを先立って行う予定であったが、免疫染色の技法で解析が進んだため、より良いシークエンス解析条件を考察するためにも翌年度に延期した。よって、今年度にこれら費用をもって、現在までに集めている臨床検体を用いてシークエンスを行う。
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