2021 Fiscal Year Research-status Report
Therapeutic Application of CRISPR-Cas3 for dominant dystrophic Epidermolysis Bullosa
Project/Area Number |
21K16230
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
森坂 広行 高知大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60826840)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表皮水疱症 / CRISPR / Cas3 / 遺伝子編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
顕性遺伝型栄養障害型表皮水疱症(DDEB)の細胞モデル作成のために、当初、不死化ヒト線維芽細胞を用いる予定であったが、western blotによるVII型コラーゲンタンパクの検出が上手くいかず、不死化ヒト角化細胞であるKer-CTを用いて実験を進めた。CRSIPR-Cas9を用いてCOL7A1のExon73をターゲットにゲノム編集を行い、限界希釈法にてクローニングした。クローニングした細胞をサンガーシーケンスを用いてDNA配列を確認し、複数のクローンが得られた。代表的なクローンとしてclone 61E8では片アレルは正常で、もう片アレルには6塩基の欠失により変性したCOL7A1タンパクを発現すると考えられた。また、clone 62F3ではそれぞれのアレルで3塩基、9塩基の欠失がみられ、両アレルともにナンセンス変異によりタンパク発現が消失すると考えられた。配列からは61E8がDDEB、62F3がRDEB(潜性遺伝型)の栄養障害型表皮水疱症のモデル細胞となることが期待され以後の実験で確認した。 WT, 61E8, 62F3のそれぞれの細胞を用いて蛍光免疫染色を行うと、WT, 61E8では細胞内にCO7A1抗体にて蛍光されるタンパクがみられたが、62F3では蛍光染色されるタンパクはみられなかった。また、western blotではWT, 61E8では290kDa付近にCOL7A1タンパクのバンドが得られたが、62F3では同様のバンドはみられなかった。これらの結果から61E8はDDEB、62F3はRDEBのモデル細胞となることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、疾患モデル細胞作成のために不死化線維芽細胞を用いる予定であったが、VII型コラーゲンタンパクの検出が上手くいかなかった。そのため、代わりに不死化ヒト角化細胞を用いて実験を進めた。使用する細胞を変更したため、実験系を一から再度確認する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞モデルが作成できたため、VII型コラーゲンの機能評価アッセイを進めていく。機能アッセイとしてトリプシンアッセイを得られたクローン細胞モデルで行っていく。また、疾患モデル細胞を用いて、CRISPR-Cas3による変異アレルの大規模欠失の導入を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた不死化線維芽細胞でのVII型コラーゲンタンパクの検出が上手くいかず、不死化角化細胞を用いてアッセイを行うようにしたため、当初予定していた実験計画すべてを行うに至らなかった。次年度には、タンパク検出の効率を良くするために一時抗体の追加購入や、ゲノム編集を行った細胞のクローンでのoff target検出のための次世代シークエンス法での検出を予定している。
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