2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying the function of inflammatory cells with epigenomic abnormalities in angioimmunoblastic T-cell lymphoma
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21K16239
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 学 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (70897066)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | T細胞リンパ腫 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)は、クローン性造血(ACH)を背景に持つ成熟T細胞リンパ腫の一つで、がん細胞はT濾胞ヘルパー (TFH)細胞の特徴を持つ。造血幹細胞レベルで、TET2変異を獲得した後、がん細胞がG17V RHOA変異を獲得することで、AITLを発症するという多段階発がんモデルを背景とし、今回、TET2変異を持つ免疫細胞がAITLの発生を可能にするメカニズムについて、マウスモデルおよびヒトサンプルを用いて検討した。すべての血液細胞でTet2を欠損したマウス(Mx-Cre × Tet2flox/flox × G17V RHOAtgマウス)は約1年以内にTFHリンパ腫を自然発症したが、T細胞のみでTet2を欠損したマウス(Cd4-Cre × Tet2flox/flox × G17V RHOAtgマウス)は観察期間中にリンパ腫の発症は観察されなかった。したがって、Tet2欠損炎症細胞はAITL発症のがん微小環境ニッチとして機能していることが示唆された。マウスとヒトのAITLサンプルから得た5万個以上の細胞のシングルセルRNA-sequencing により、活性化明帯様および増殖を示す暗帯様胚中心B (GCB) 細胞の双方の性質を示す異常GCB細胞の著しい拡大が確認された。インシリコネットワーク解析により、Cd40-Cd40lgがGCB細胞とがん細胞群の相互作用分子として抽出された。AITLモデルマウスに抗Cd40lg阻害抗体を投与すると、生存期間が延長した。マウス腫瘍で異常に拡大した 異常GCB 細胞で発現している遺伝子は、TET2 変異ヒト AITL の B 系統細胞でも広範に発現していた。したがって、ACH由来のGCB細胞は独立したクローン進化を遂げ、CD40-CD40LG軸を介してAITLの腫瘍化を支えている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
AITLモデルマウスとヒトAITLのシングルセル解析を予定通り施行し、これまでにAITLに特異的な異常GCB細胞の特徴を捉えることができた。これにより、GCB細胞を主体とする微小環境の理解が深まり、GCB細胞を主体とするTET2欠損免疫細胞によるがん細胞への腫瘍化への寄与について、より理解を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
GCB細胞によるCD40-CD40LG軸を介してAITLの腫瘍化への寄与がシングルセル解析、in vivoによる治療実験から明らかになったが、CD40-CD40LG経路により、がん細胞にどのような変化が起きているのかということは不明である。そこで、CD40刺激によるT細胞の遺伝子発現の変化について、in vitroの系で、細胞株を用いて遺伝子発現変化について解析する。 B細胞については、全エクソン解析から再発性変異が特定され、独自のクローン進化が明らかになったが、その遺伝子変異体の機能について、マウスモデルを樹立して解析を行う。また、GCB細胞の腫瘍内拡大のメカニズムについて、エピゲノム異常の観点から、メチル化解析を行い検討する。
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[Presentation] Germinal Center B Cells Derived from TET2-Mutated Clonal Hematopoiesis Provide a Microenviromental Niche for Tumor Cells in Angioimmunoblastic T-Cell Lymphoma2021
Author(s)
Manabu Fujisawa, Tran B. Nguyen, Yoshiaki Abe, Yasuhito Suehara, Kota Fukumoto, Sakurako Suma, Kensuke Usuki, Kentaro Narita, Kosei Matsue, Naoya Nakamura, Shumpei Ishikawa, Fumihito Miura, Takashi Ito, Ayako Suzuki, Yutaka Suzuki, Satoru Takahashi, Shigeru Chiba, Mamiko Sakata-Yanagimoto
Organizer
63rd ASH Annual Meeting and Exposition
Int'l Joint Research
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[Presentation] シングルセル解析による血管免疫芽球性 T 細胞リンパ腫の免疫プロファイルおよび腫瘍細胞不均一性の解明2021
Author(s)
Sakurako Suma, Manabu Fujisawa, Yoshiaki Abe, Yasuhito Suehara, Manabu Kusakabe, Takeshi Sugio, Koichi Akashi, Kosei Matsue, Naoya Nakamura, Ayako Suzuki, Yutaka Suzuki, Shigeru Chiba, Mamiko Sakata-Yanagimoto
Organizer
第80回日本癌学会学術総会
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[Presentation] TET2 変異胚中心 B 細胞は CD40-CD40LG シグナルを介して AITLの腫瘍形成を促進する2021
Author(s)
Manabu Fujisawa, Tran Nguyen, Yoshiaki Abe, Yasuhito Suehara, Kota Fukumoto, Sakurako Suma, Kosei Matsue, Naoya Nakamura, Ayako Suzuki, Yutaka Suzuki, Fumihito Miura, Takashi Ito, Shigeru Chiba, Mamiko Sakata-Yanagimoto
Organizer
第80回日本癌学会学術総会
Invited
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