2023 Fiscal Year Research-status Report
Treatment strategy for elimination of CML stem cell using novel DNMT inhibitor
Project/Area Number |
21K16245
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嬉野 博志 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (00807464)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / イマチニブ / DNAメチル化阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、慢性骨髄性白血病(CML)に対してチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と現在開発を進めている新規DNAメチル化阻害剤であるOR2100の併用を行うことでCML幹細胞の制御ができないかについて検討を行った。TKIとOR2100を併用することでCML幹細胞分画(LSK分画)の減少が認められたため、その幹細胞制御機構について検討を行った。 RNAシークエンシングよりいくつかの遺伝子の発現亢進を確認したがその中で、SHP1はtumor suppressor gene、ラテキシンは抗腫瘍作用(tumor supressor gene)と造血幹細胞制御機能を有する遺伝子のため我々はSHP1とラテキシンの2つがこのOR2100を用いた際の併用効果に寄与していると考えた。OR2100とイマチニブ(TKI)を併用するとラテキシン(LTX)とSHP1の蛋白発現が亢進することが分かった。SHP1をshRNAを用いてレンチウィルスでノックインし、SHP1を強制発現するとCML細胞株であるK562の増殖抑制効果を認め、SHP1のCMLにおける抗腫瘍効果作用が分かった。同様にSHP1を導入するとアポトーシスも誘導された。LTXの幹細胞制御機構・抗腫瘍効果について現在実験中であるが、まだ十分なデータがなく2024年度の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitro, in vivoにおいて当初の仮説であるDNAメチル化阻害剤とTKIを併用を行うと抗腫瘍効果の増強と、CML幹細胞の制御が可能であることについては結果が出た。これにより当初の仮説の検証ができた。また抗腫瘍効果についてはSHP1などのtumor supressor geneの発現亢進によるということも分かった。しかしながら、幹細胞制御メカニズムについてはまだ実験が進められておらず2024年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ラテキシンがCMLにおける抗腫瘍効果及びCML幹細胞制御に関わることについて検証を進めていく。ラテキシン過剰発現もしくはノックダウンを行ったBCR::ABLトランスジェニックマウスを用いた実験を行い、OR2100とTKIを併用した際の骨髄における幹細胞分画の変化、抗腫瘍効果の変化について解析を行う。併せてその際のT細胞、NK細胞分画の変化などについても検討を行いLTXによりマウスにおける抗腫瘍免疫の変化があるかについて検証を進める。
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