2022 Fiscal Year Research-status Report
変異型CALR蛋白質の切断による骨髄増殖性腫瘍発症の抑止
Project/Area Number |
21K16250
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木原 慶彦 順天堂大学, 医学部, 博士研究員 (70812999)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨髄増殖性腫瘍 / カルレティキュリン / トロンボポエチン受容体 / 分子シャペロン / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms: MPN)は、骨髄中の造血幹細胞に体細胞変異が生じ、細胞が腫瘍化することにより発症する造血器腫瘍である。MPNの予後は概ね良好であるが、予後不良の骨髄線維症を発症する患者や急性白血病に転化する患者が存在する。しかし、これらの病型移行の予測は極めて困難である上に、MPNの根治は治療関連死のリスクのある造血幹細胞移植に限られる。さらに高齢で発症する疾患であることなどから、実際に移植適応となる症例はごく僅かである。このため、MPNの発症メカニズムの解明と、それを標的として根治を目指す治療法の開発が求められている。そこで研究代表者は、MPNに含まれる本態性血小板血症および原発性骨髄線維症を引き起こすcalreticulin(CALR)変異遺伝子産物に生じる特異的切断の分子基盤とその制御機構を明らかにすることで、変異型CALR蛋白質を標的とする治療戦略の構築に必要な知見を得ることを目的として本研究を実施している。本年度は、昨年度、阻害剤を用いた検討により絞り込まれた、変異型CALRの切断に関与すると考えられるプロテアーゼの発現を、RNA干渉法を用いて抑制、あるいはcDNAを過剰発現して、変異型CALRの切断への影響を調べた。その結果、変異型CALRの切断には、複数のプロテアーゼをコードする遺伝子が関与することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変異型CALRの切断に関与していると考えられるプロテアーゼが複数同定され、その遺伝子の発現抑制、クローニング、過剰発現などに時間を要したため、進捗が少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
変異型CALRは、腫瘍化した巨核球における蓄積が顕著であることから、巨核球系細胞で変異型CALRの切断が抑制されている可能性が示唆されている。そこで、同定したプロテアーゼによる変異型CALRの切断が、血球系譜により異なっている可能性があることから、その違いや制御メカニズムについて検討を実施する。また、変異型CALRの切断制御メカニズムを標的とした骨髄増殖性腫瘍の治療可能性についても、検討する予定である。
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Causes of Carryover |
想定していたよりも数多くのプロテアーゼが、変異型CALRの切断に関与していることが疑われたため、その検討に時間を要し、計画に遅れが生じた結果、次年度使用額が生じている。次年度使用額は、本年度検討する予定であった、変異型CALRの切断を制御するメカニズムの検討に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)