2021 Fiscal Year Research-status Report
Importance of NK activity and leukemia cell surface antigens in maintaining remission and predicting relapse of acute myeloid leukemia
Project/Area Number |
21K16253
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯塚 和秀 日本大学, 医学部, 助手 (70812890)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 急性骨髄性白血病 / 腫瘍免疫 / NK細胞活性 / CD8 / 可溶性IL-2レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は腫瘍免疫が急性骨髄性白血病(AML)の緩解維持に重要であることを明らかにする。初年度は初発AML患者のNK細胞活性(NK活性)・可溶性CD8(sCD8)・可溶性IL-2R(sIL-2R)を任意のタイミングで測定・解析した。 完全緩解(CR)達成71症例でCR維持期間とNK活性は正の相関を示した(相関係数=0.618、P値<0.001)。更にNK活性と緩解維持期間を7群(Group1:0-6か月、Group2:6-12か月、Group3:12-24か月、Group4:24-36か月、Group5:36-60か月、Group6:60-120か月、Group7:120か月以上)に分類し比較した。CR維持期間が24か月以内の患者群(Group1-3)は健常人と比較しNK活性の有意な低下を認めた(各Group vs 健常人は全てp<0.001)。対照的に24か月以上CR維持の群(Group4-7)では有意差はなかった(全てp>0.1)。24か月以内の再発は21例で、20例が再発直前のNK活性は低値だった(p<0.001)。長期緩解群でもCR後6か月間のNK活性は低値だったが、6か月以降にNK活性は上昇していた。 sCD8は細胞傷害性T細胞(CTL)の活性化に関わりCR後全期間で高値を示した。しかしNK活性が上昇を伴わない症例は高率に再発し、CTLのみでは不十分と思われた。IL-2はNK細胞を活性化させAML患者への投与で予後改善する。sIL-2R がGroup2期間のみで高値を示したことは、NK活性上昇がCR維持に重要と示唆させた。 上記よりAML緩解維持にNK活性は極めて重要で、少なくとも緩解後24か月間の測定は再発予測・早期診断に有用である。今後はAML腫瘍細胞上のNKG2Dリガンド発現率と末梢血NK活性の関連性を調査して仮説の精度を高め、免疫染色によりnicheの解析も行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年は新型コロナウイルスの大流行があり、院内感染も生じたため閉鎖病棟も生じて患者受け入れが非常に減少した。そのため、対象患者が予定数を下回った。 また、研究者本人も新型コロナウイルス対応のため診療を行うこととなり、研究に割ける時間が大幅に低下した。そのため、対象患者の骨髄検体の保存処理を行えない症例も多くなった。 以上から、新型コロナウイルス患者が比較的落ち着いた時期に来院したAML患者で、検査回数の頻度が高く、診療が落ち着いた任意のタイミングに回収しやすい末梢血を用いた研究のみを行った。計画書にある骨髄検体中の腫瘍細胞の表面マーカーとNK活性の相関性は研究できなかったものの、NK活性が白血病緩解維持に重要である結果は集まり、現在論文投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの弱毒化や治療技術の進歩、ワクチンの普及で現在は医療に余裕が出来ている。そのため、業務内容は従来に戻った。患者受け入れについても、受け入れ数を徐々に回復している。そのため、6月より本来予定していた骨髄検体中の腫瘍細胞の表面マーカーとNK活性の相関性と予後の関連調査を、2年目の研究成果とする。 3年目には、白血病幹細胞とされるTIM3陽性細胞のNKG2DリガンドやCD86の発現率、予後を調査する。また、NK細胞や細胞障害性T細胞と白血病幹細胞との局在関係を明らかにして、治療抵抗性症例は白血病幹細胞のがん免疫回避と関連していることを示す。
|
Causes of Carryover |
前述のとおり、昨年は新型コロナウイルスの院内感染による閉鎖病棟も生じて、患者受け入れが非常に減少し、対象患者が予定数を下回った。研究者本人も新型コロナウイルス対応にあたり、研究に割ける時間が大幅に低下した。そのため、対象患者の骨髄検体の保存処理を行えない症例も多くなった。 以上から、新型コロナウイルス患者が比較的落ち着いた時期に来院したAML患者で、検査回数の頻度が高く、診療が落ち着いた任意のタイミングに回収しやすい末梢血を用いた研究のみを行った。これにより、フローサイトメトリーに必要な試薬や骨髄保存に必要な液体窒素などの物品の購入を次年度に行うこととなり、物品購入費に次年度使用額が生じた。 海外学会参加も制限されていたため、1年度に発表予定の演題を2年度に移行としたため、学会参加費もかからなかった。 今後の使用計画は、1年度に施行できなかったフローサイトメトリーと免疫染色を行うため、これらの抗体を予定通り購入する。また、海外学会参加も緩和されたため、アメリカ学会に1年度の研究結果を報告するための参加費と旅費に使用する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Absolute Lymphocyte Counts After Lenalidomide Initiation may Predict the Prognosis of Patients With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma2021
Author(s)
Masaru Nakagawa, Noriyoshi Iriyama, Takuto Ishikawa, Katsuhiro Miura, Yoshihito Uchino, Hiromichi Takahashi, Takashi Hamada, Kazuhide Iizuka, Takashi Koike, Kazuya Kurihara, Tomohiro Nakayama, Yoshihiro Hatta, Masami Takei
-
Journal Title
Cancer Diagn Progn .
Volume: 7月号
Pages: 221-229
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Relationship between Carnitine Deficiency and Tyrosine Kinase Inhibitor Use in Patients with Chronic Myeloid Leukemia2021
Author(s)
Noriyoshi Iriyama, Katsuhiro Miura, Yoshihito Uchino, Hiromichi Takahashi, Masaru Nakagawa, Kazuhide Iizuka, Takashi Hamada, Takashi Koike, Kazuya Kurihara, Tomohiro Nakayama, Masami Takei, Yoshihiro Hatta, Hideki Nakamura
-
Journal Title
Chemotherapy .
Volume: 11月号
Pages: 電子Jornalのため無し
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Maintenance Therapy With Bortezomib and Dexamethasone for Transplant-ineligible Patients With Multiple Myeloma2021
Author(s)
Yurika Noguchi, Noriyoshi Iriyama, Hiromichi Takahashi, Yoshihito Uchino, Masaru Nakagawa, Takashi Hamada, Kazuhide Iizuka, Takashi Koike, Kazuya Kurihara, Toshihide Endo, Tsutomu Yoshida, Katsuhiro Miura, Tomohiro Nakayama, Yoshihiro Hatta, Masami Takei
-
Journal Title
Cancer Diagnosis & Prognosis
Volume: 3月号
Pages: 35-41
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-