2022 Fiscal Year Research-status Report
Importance of NK activity and leukemia cell surface antigens in maintaining remission and predicting relapse of acute myeloid leukemia
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21K16253
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯塚 和秀 日本大学, 医学部, 助手 (70812890)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 腫瘍免疫 / NK細胞活性 / CD8 / 可溶性IL-2レセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は腫瘍免疫の一つであるNK活性が急性骨髄性白血病(AML)の緩解維持に重要であることを明らかにすることである。 初年度は①初発AML患者のNK細胞活性(NK活性)の回復・維持が長期緩解と相関しており重要な要素であること、②NK細胞の活性要因である可溶性IL-2Rが緩解後6-12か月に高値を示した症例でNK活性が回復がみられていたこと、③可溶性CD8は診断時から一貫して高値で腫瘍免疫として機能していることが予想されるものの再発予測には適切ではなかったことを示した(詳細は1年目実績報告)。更に再発時ではNK活性が低値になっており(p<0.001)、緩解後の経過は5つのパターンに分類できることも明らかにした。その結果、一度NK活性が回復した患者でも何らかの要因により再度NK活性が低下した場合も再発リスクが高いことが判明した。 2年目には論文作成のために患者背景を再解析して、1年目の結果はNCCN予後分類で低リスク群と中間リスク群のどちらにも、NK活性を用いた再発予測が適応できることを確認した。上記については2023年6月の投稿予定となっており、3年目以降に末梢血残余検体からNK活性を測定できるように実験系も確立した。 更に、2年目はAMLの疑いが少しでもある患者に対し、JAK2などの様々な遺伝子解析を行った結果、AML以外の確定診断がついた症例に対しても論文を作成し、遺伝子解析結果と病態についてEuropean journal of haematologyに報告した。 更に、当初の予定通りAML腫瘍細胞上のNKG2Dリガンド発現率と末梢血NK活性の関連性を調査して仮説の精度を高め、免疫染色によりnicheの解析をする研究については、検体収集が遅れているが徐々に解析を施行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に新型コロナウイルス流行に対する対応に従事しており、白血病患者の検体採取に支障が出たことで、過去の検体と蓄積データ解析を優先することでNK活性とAMLの緩解期間の関係を明らかにすることとなった。2年目に入り、新型コロナウイルスに対する対応に余裕が出てきたことで研究を開始するに至ったが、実験助手など一部の従業員などの出勤制限があり実験が遅れている。しかし、2年目後半から実験を開始できており、遅れてはいるが研究達成は見込めている。
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Strategy for Future Research Activity |
「7.現在までの進捗状況」に記載した通り、研究環境が徐々に整ってきており、2年目に準備が出来た、末梢血残余検体からNK活性を測定できるように実験系も確立した。 AML腫瘍細胞上のNKG2Dリガンド発現率と末梢血NK活性の関連性を調査して仮説の精度を高め、免疫染色によりnicheの解析をする研究については、検体収集が遅れているが徐々に解析を施行している。
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Causes of Carryover |
前述のとおり、新型コロナウイルスの流行に伴う診療配置の変更などにより、検体収集の遅延や出勤制限のため実験施行が遅れた。また、時期や緊急的な必要物品で自費で試薬や物品を先行購入したものは、建て替え対象とならないため、代用の安価な試薬で傾向を調べたに過ぎない。そのため、論文に使える精密な結果を求めるため、次年度に持ち越しとして正式な物品の購入をするに至った。 また、検体収集が遅れていたため予定よりも物品購入数がすくなく(試薬や検体保存用の容器)、学会発表も3年目の本年に予定しているため、3年目は予定よりも使用額が多くなる予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] von Willebrand factor activity levels are influenced by driver mutation status in polycythemia vera and essential thrombocythemia patients with well-controlled platelet counts2022
Author(s)
Kazuhide Iizuka, Soji Morishita, Yuji Nishizaki, Yoshikazu Iizuka, Noriyoshi Iriyama, Tomonori Ochiai, Naotake Yanagisawa, Hajime Yasuda, Jun Ando, Akihiko Gotoh, Masami Takei, Yoshihiro Hatta, Hideki Nakamura, Tomohiro Nakayama, Norio Komatsu
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Journal Title
European journal of haematology
Volume: 12月号
Pages: 779-786
DOI
Peer Reviewed